主な争点

 死刑問題の、主な争点をまとめてみました。
 なお、私自身は死刑廃止意見でも、個々の論点では死刑賛成に与する場合もあるので、勘違いして私に怒りのメールなどは送りつけてもらっても困ります。
参考→はじめに刑部をたちあげるまで



犯罪抑止効果
死刑賛成派
 死刑を廃止したら、殺人が増加する。なぜなら人は、死刑になるのがいやだから、人を殺さないからである。

死刑廃止派
 統計的に死刑廃止によって殺人が増えたことは立証されていない。
 死刑で殺人を思いとどまるには、犯行前に、ある程度の理性が求められるが、犯行時において殺人者の多くは、その理性を失っている。また、普通の人は、元々殺人を犯そうなどとは思わない。死刑が有効なのは、「殺人したいが、死刑になるのはいやだ」という殺人嗜好者だけである。
 一方で、死刑になるために殺人を犯す者もおり、死刑が犯罪抑止効果があるかどうかは、殺人嗜好者の数が、死刑になりたくて殺人を犯した者より多いことを立証する必要がある。


被害者遺族の気持ちが収まらない
死刑賛成派
 犯人を死刑にしないと、被害者遺族の気持ちが収まらない。
 殺人に対する償いは、死刑でしかありえない。
参考→ある遺族の意見
死刑廃止派
 犯人の死刑を望まない遺族も存在する。遺族気持ちの問題は、犯人が死刑になれば済む問題ではない。
 殺人の罪は、死刑でも完全には償えない。犯人は生きた上で、遺族に最良の償いをすべきである。
参考→遺族の心情


冤罪
死刑賛成派
 今は昔と違って、警察は拷問などできないから、冤罪は発生しない。
 三回も裁判をやるのだから、冤罪は起こらない。
 今まで冤罪で死刑になった者はいない。
 取り調べや裁判の方法を改良して冤罪をなくせばいい。
 冤罪で死刑になることがあっても、ごく少数である。死刑のメリットの為には仕方がない。

死刑廃止派
 今でも警察は不当な取り調べをしており、無実でも自白をすることはあり得る。
 裁判官達も神ではないので、完全に間違いを犯さないことはない。
 法務省や裁判所が認めていないだけで、明らかにされていない冤罪死刑執行がありえる。
 たとえ制度を改良しても、人は絶対に間違いを犯さないわけではない。
 たとえ死刑にメリットがあっても、無実の人を死刑にしては絶対にいけない。
参考→冤罪問題


再犯
死刑賛成派
 死刑にすれば、再犯の心配はない。
 終身刑は、金がかかりすぎるし、脱獄の心配もある。

死刑廃止派
 再犯は絶対終身刑でも防げる。
 現状では服役者の運営費負担率6−8割で、もっと収入の良い仕事を得られれば負担率も下がる。
 死刑でも脱獄の心配はある。


日本の世論
死刑賛成派
 日本人の多数は、死刑の廃止に反対している。

死刑廃止派
 一部の世論調査は、偏った選択肢しか用意していない。たとえば、「どんなことがあっても絶対に死刑廃止」と「場合によっては死刑もやむを得ない」の二択など。これでは死刑廃止が少なくなるのは当たり前。


人権問題
死刑賛成派
 人殺しに人権は必要ない。
 死刑は残虐ではない。
 世界がどうであろうと、日本は日本。
 死刑廃止は日本の習慣・歴史などに合わない。

死刑廃止派
 人を殺しても、人権は保障されるべきだ。
 死刑は野蛮で残虐である。
 世界は死刑廃止の流れにある。
 日本にも平安時代に300年ほど死刑のない時代があった。



(C)笑月



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