徴兵制が施かれたらどうなるか


0.はじめに

 戦争とは戦術面においては、いかに自分の被害を少なくしつつ、相手に大きな被害を与えるというのが本質であるが、勝利のためには自分の被害を度外視する指揮官もいる。いずれにせよ、交戦相手に大きな被害を与えるというところは一致しており、後者に至っては自分の被害も気にかけないため、総体的に大きな被害がでるものである。
 また余談であるが、戦場の住民はとばっちりを受け、軍人よりも多くの被害を出すことも忘れてはならない。

1.自分もしくは家族が強制的に戦場に行く

 前述の通り、戦場に行くと、通常時に比べ死傷する可能性が非常に高くなる。戦傷の中には、手足視力聴力を失ったり、戦意高揚剤(覚せい剤)の投与の後遺症、戦病の慢性化による健康悪化も含まれる。
 戦死や戦傷の結果の障害者化による問題として、家族がいる場合※は、家族への精神的、経済的(介護)影響があるし、家族がいなくても国による戦傷年金の発生による、国家予算への影響が考えられる。

2.あらゆる分野での機能低下

 一部職種(例として、1927年兵役法61条では一部官吏、市町村長、助役、収入役、帝国議会議員、府県会議員、市長村会議員、外国航路船員)を除いて、あらゆる職業から召集されるため、各分野における機能の低下が発生する。
 技術者・職人→商品やサービスの品質低下(交通関係のトラブル増加も含む)
 警察官→治安悪化

3.少子化の加速

 晩婚化が進む中、未婚の男性が徴兵され、戦死による男性人口の減少及び戦傷による生殖機能、肉体の一部を失うことによる結婚へのハードル上昇による婚姻数減少といった状況になれば、少子化は劇的に加速されると考えられる。

※ちなみに1927年兵役法63条では、召集によって家族が生活できなくなるとの確証がある場合は、召集を免除する、とある。その一方、ナチスドイツの国民擲弾兵や国民突撃隊のように、追い込まれるとなりふり構わず法律を改定して子供、老人、傷病人すら徴兵する例もあるので、家族が生活できなるなろうが我慢しろ、という風に変わることもありうる。



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