国歌


 毎年卒業式の時期になると、国歌演奏時に起立斉唱したしないで、一部の間で騒動になっている。
 起立斉唱しない人は「天皇崇拝の意味合いが強い」「主権在民の現憲法にはふさわしくない」といった考えや左派系組織方針などが理由で、起立しないことを批判する人は「愛国心が足りない」「天皇への忠誠心に欠けている」といった考えや右派系組織方針などが理由であろう。
 私としては、国歌を敬愛して起立斉唱したい人間であるが、その国歌は「君が代」ではなく、民主主義国家にふさわしい内容の新しい国歌であるという前提である。
 「君が代」は天皇の世(治世)が千年も八千年も続きますようにと祈る歌であり、我々税金を払っている国民は全く登場せず、民主主義国家にふさわしい内容とは言えない。少なくとも明治時代以降、天皇や皇族は我々の税金で生活している人たちであり、なぜ我々国民がそんな彼らの治世が実質永遠に続くことを祈念する歌を国歌と頂かなければならないのか全く理解できない。この歌詞と同種の思想が、敗戦末期に国体護持に拘って終戦を遅らせ、その分多数の臣民(当時)を死なせる原因になったことを忘れてはならない。
 また、「君が代」は国歌としての歴史があるという意見もあるが、歴史といってもせいぜい135年程度(2015年時点)であり、(もっと歴史は浅いものの)憲法を変えようという意見が台頭しているのだから、国歌を変えてもいいのではないかと思う。
 以上の理由で、日本の国歌の歌詞は民主主義国家にふさわしい内容にすべきと考える。

 余談であるが、私は「日の丸」については何の問題もないと考える。また、天皇制の善し悪しは別として、現在の天皇個人に対しては、彼の受け持つ仕事について、現在の憲法下の中で非常に頑張っていると思う。



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