ラーメンめぐり2


 山頭火のラーメンは、丼飯用どんぶりみたいなものにラーメンが入っており、径が小さい割に深いので、見た目よりも量がが多かった。しかもとんこつスープなので、最初はにぎやかに食っていた二人も、段々無口になっていき、食い終わったときには、二人共結構満足・・というか、少し胸焼けを起こしていた。
 S藤は私の方をみて、探るように言った。
「次行く?」
「・・・少しどこかで小休止しないか?」
「そうするか・・」
 さすがのS藤も最初の強気はどこへやら、とにかくどこかのファミレスで休憩しようということになった。
 そこでまた私のナビでファミレスを探すことになったのだが、S藤の持ってきた地図は、ファミレスの位置も記述してあるすぐれもので、その辺に抜かりのないS藤には、ある種の畏敬の念を抱いた。だが・・
「あれ?ここら辺にガストがあるはずだぞ?」
「ないよ」
「確かにない」
 仕方なくそのガストは諦め、今度はサイゼリアを目指したが・・
「あれ、サイゼリアもないぞ?」
「本当にここら辺か?」
「この交差点の付近だから、いい加減ないのはおかしい・・」
 そこでふと、ある疑念を抱いた私は、地図の発行年月日を確認した。

  2000年

 4年も経てば、都心の店なんて、すぐ変わるのは当然であった・・
 今後、店を探すのは地図ではなく、目視で行うことになった。

To Be Continued


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