ケンシロウは演出家


 今日は、ですます調で言ってみようと思う次第でございます。

 ここでいうケンシロウとは、「北斗の拳」の主人公で、生け贄を捧げられると(弱いものが悪人に殺されると)貴重な服を破って悪人をぶっ飛ばすアノ方です。
 そんなケンシロウ、暴力を振るうしか能がないかと思いきや、何と、優秀な演出家としての才能を見せたこともありました(ただしホラー限定)
 さて、その演出を心ゆくまで楽しんだのは、「ジャッカル」という男に率いられた盗賊団です。
 このジャッカル、いつもケンシロウと行動を共にしている「バット」という悪ガキを、小さい頃育てていた「トヨ」(この話の生け贄)というお婆さんを殺してしまいました。しかもそのままバイクで逃走。普通なら、即座にケンシロウによって破裂させられるのですが、この回は珍しくジャッカル一党は逃げることに成功します。しかし、それが恐怖の始まりでした。あんな目に遭うのだったら、即座に破裂させられた方が幸せだったのでは・・

 数日後、ジャッカル一党の別働隊がケンシロウに襲われます。その際、ケンシロウは一党の一人の秘孔(ツボ)をつき、「行け。お前の体がメッセージになる」と言います。
 その男はジャッカルの元に行き、「俺の体がメッセージになると・・」と報告したところで、頭が歪みます。「あ、いていていててて・・ては!」バシュゥ!
 次に、いつもの酒場に行くと、酒場の主人が「あんたら死に神に取り憑かれたなあ」といって、ケンシロウが置いていったジャッカルの右腕である「フォックス」の死体をあごで示します。
 あわてたジャッカル一党は、外に止めてあるバイクに乗ろうとしますが、全てのバイクのガスが抜かれています。
 ならば車で逃げようと助手席に乗り込み、運転席の男をせかすと、運転手の頭が変形して破裂します。顔を運転手の血で染めた男は恐怖の表情で絶叫を上げ、さらにそれを見て恐慌し、行き先を見失った一党の上に、仲間の死体が降ってきます。
 そしてダメ押しに、屋上でケンシロウが「お前ら皆殺しだ」と言わんばかりに一党を指さします。
 この演出を堪能した一党は、ついに助かるためにはジャッカルを殺すしかないと仲間割れを始める始末・・でも、誰も彼らの行動を責められません。だって、コワイもん・・

 それにしても、いつも愛だ怒りだと、頭脳を使わず、本能に従って筋肉ばかり使っていたケンシロウさんが、思わぬ才能を発揮してくれました。
 しかし、これほどの頭脳プレーを彼が見せてくれたのは、後にも先にも、これだけでした・・(ただし、やられたふりをする詐欺的行為はしょっちゅうやってます)


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