裁判所・部 東京高等裁判所・第1刑事部
事件番号 令和4年(う)第644号
事件名 住居侵入、強盗・強制性交等殺人(変更後の訴因:住居侵入、強制性交等致死、殺人、窃盗)、死体遺棄、強制わいせつ
被告名
担当判事 島田一(裁判長)水野将徳(右陪席)櫻井真理子(左陪席)
その他 書記官:紀成昌宏
日付 2022.9.21 内容 判決

 被告人は丸刈りでむすっとした表情のやや小太りの男性でスーツを着用。傍聴券が交付されて抽選倍率は1.2倍程度。

ー主文ー
 本件控訴を棄却する。当審未決勾留日数120日算入。

 本件控訴の趣意は量刑不当の主張で、論旨は被告人を無期懲役に処した原判決の刑は重過ぎるので不当ということ。
 原審の記録を調査して当審における情状事実を検討する。

 ここで原判決の事実認定が読み上げられる。

(弁護人の所論)
1.被告人は侵入したときは性的な考えは漠然とした計画しかなく裸体を目にして初めて思ったものであるから、突発的な犯行とは言い難いとした原判決の認定は誤り。
2.原判決後に被害者の父母に各1500万円合計3000万円を支払った。反省の情もある。

(裁判所の判断)
1.犯行を決意したのはaさんの裸体を目にしたときという主張は、経緯を踏まえると猥褻目的で路上で物色するうちにaさん方に何度も赴き、無施錠であることを確認して一人暮らしであることを認識していたから突発的な犯行とは言い難いといった原審の判断に誤りはない。
2.被告人の家族が遺族に3000万円を用意することを踏まえて原判決を出している。

 量刑は重すぎて不当であると言えないから刑訴法396条1項を用いて控訴を棄却。

 裁判長が「(上告は)弁護人とよく相談して決めてください」と言うと被告人は軽く頷いていた。
 退廷のときに被告人の後ろに続く刑務官の足が滑って検察官席に突っ込むというトラブルが発生して検察官は「大丈夫ですか!?」と声を出していた。



報告者 insectさん


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