裁判所・部 | 東京高等裁判所・第10刑事部 | ||
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事件番号 | 令和3年(う)第1155号 | ||
事件名 | 殺人 | ||
被告名 | A | ||
担当判事 | 細田啓介(裁判長) | ||
その他 | 書記官:大橋綾子 | ||
日付 | 2021.10.19 | 内容 | 初公判 |
被告人はどこにでもいるような肌黒の高齢男性。 本籍地は世田谷区。小さい遺影を手元に持った遺族と検察事務官が法廷でやりとりをしていた。 弁護人の主張は控訴趣意書および控訴趣意補充書の通りで口頭でも陳述を希望して証言台の前に立つ。 おそらく3人の弁護人は国選ではなく私選だと思われるが、控訴審では珍しいやる気のある対応で3つのことを主張するとした。 1つめ、殺人の動機について殺人罪は懲役5年から死刑まで極めて広い法定刑でその動機が非常に重要。そもそもそれが正しいかは疑問があるが。アメリカでは第1級殺人から第2級殺人で計画性があるかないかで区分。極めて重要な判断要素となっていることを前提に考えていくと主たる動機は金銭動機ではなく「苦しみからの開放」で検察側も否定していなかったのに客観的な証拠がないと一審の裁判体の感覚に合わないといった理由で排斥された。 2つめ、殺人の残虐性や計画性について 原判決は残虐な計画的殺人と評価。刑を重くする残虐性について亡くなった方に苦痛を与えたと一般的にされる。一審はご遺体の見た目が残虐なこと、部屋で血しぶきが舞っていると言っているが違うのではないか。 3つめ、初枝さんがどれだけ苦しんで生きていたか誰よりも分かっているのはそばに寄り添って2人きりで生活していた被告人だけ。極めて良好な関係だったのは明らか。誰もが納得いくような行為ではないが苦しみからの解放が正しい動機であることは否定できない。 検察官は弁1〜5号証につきいずれも不必要と意見を述べた。 裁判長は弁1〜5号証につき必要性を認めて証拠採用すると判断し、以上を踏まえて控訴審判決を12月16日午後3時に言い渡すと指定した。 | |||
報告者 | insectさん |