裁判所・部 東京高等裁判所・第九刑事部
事件番号 平成20年(う)第1584号
事件名 窃盗、建造物損壊、強盗致傷
被告名
担当判事 原田國男(裁判長)田島清茂(右陪席)松山昇平(左陪席)
その他 書記官:関根、木所
検察官:高口英徳
日付 2008.9.17 内容 初公判

 バカラ賭博客襲撃やATM破壊で訴追された被告人は、かなりガッチリした体格の丸刈りの色白の若い男性で、スエット姿で入廷。
 ハキハキした言動だった。一連の事件の共犯はB→懲役8年、Cと一色→懲役4年6月が前橋地裁で言い渡されている。

裁判長「お名前は」
被告人「Aです」
裁判長「生年月日は」
被告人「昭和57年9月19日です」
裁判長「現住所は」
被告人「群馬県前橋市です」
裁判長「弁護人は8月7日付け控訴趣意書のとおり陳述されるということで」
弁護人「はい」
裁判長「検察官、ご意見は」
弁護人「理由がなく棄却されるべきであります」

 共犯の奈良からの手紙は証拠採用、被告人質問は実施されることになった。

弁護人「あなたは今回の事件で懲役12年という判決を受けましたが、どう思ったのですか」
被告人「いや自分は世のなかでしちゃいけないことをしたと深く考えさせられました。被害者のことや家族のことを考えたり、万が一のことで取り返しのつかないことになったかもしれないのでしちゃいけないと。今後は浅はかなことを考えずに後先のことを考えて生きていきたいです」
弁護人「取り返しのつかないというのはどういうことですか」
被告人「万が一被害者が亡くなったりしたらということです」
弁護人「そうだよね、バットをあなたが持ち出している。家族に対してはどう思いますか」
被告人「祖父母に育てられたようなもので、祖母がパーキンソン病になり、それでも待ってくれている。姉も祖母の介護をしながら待っていてくれています」
弁護人「控訴した理由は何ですか」
被告人「少しでも一日でも早く祖父母のところに帰ってあげたいです、自分から自白していることなど、少しでも軽くしてほしいというのが正直な気持ちです」
弁護人「発覚していない事件についても言っていると」
被告人「そうです」
弁護人「この点でも刑が軽くならないかと」
被告人「強盗致傷の被害者と示談して僕がその半分の金額を負担していること、検事さんが産まれたばかりの子どもが小学生になるまでに出れると言いました」
弁護人「こういうことを考えると裁判官にもう一度判断してほしいというのですね」
被告人「はい」
弁護人「出所するのは先になるけど、出所後どういうことをしたいですか」
被告人「祖父母のいる実家に帰って、刑務所のなかで資格が取れるということなのでその資格を生かした職業に就きたいです」
弁護人「事件を起こしたことをどう思いますか」
被告人「今後は後先のことを考えて、今でも信じてくれている家族や被害者のことを考えてしっかりとやっていきたいです」
弁護人「友人と一緒にワーッとやってしまったの?」
被告人「言い訳になるけど自分も友人に言われて勢いでやったこともあるが、やったのは自分の意思で行動していました」
弁護人「裁判官の前でこういう犯罪を2度としないと誓いますか」
被告人「誓います」
検察官「ATMで現金を取ったときは当時の新聞にも載ったんじゃないですか」
被告人「一回して新聞に載ってこのときはドキドキしましたがお金に困っている友人から言われて、自分も借金があったので「次やろうぜ」と悪ノリしてしまった」
 これで控訴審の審理は結審して裁判長は判決の期日を10月1日の11時40分からに指定して閉廷した。

報告者 insectさん


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