裁判所・部 東京高等裁判所・第八刑事部
事件番号 平成19年(う)第1373号
事件名 強制わいせつ、強制わいせつ未遂、住居侵入、強姦、強姦未遂(変更後の訴因・強制わいせつ、強制わいせつ未遂、住居侵入、強姦、強姦未遂、強姦致傷)
被告名
担当判事 阿部文洋(裁判長)吉村典晃(右陪席)堀田眞哉(左陪席)
その他 書記官:森長、井上
検察官:藤原光秀
日付 2007.9.18 内容 初公判

 A被告の第一回控訴審公判は、15時より、717号法廷で行われた。
 法廷は殆ど満席であった。あの情報が解る人間は殆ど居ないはずだが、何故このように人が多いのであろうか?それとも、単なる偶然か?
 弁護人は、白髪の頭が禿げ上がった老人一名。
 検察官は、眼鏡をかけ、痩せた白髪交じりの初老の男性だった。
 被告人は、眼鏡をかけた痩せた少年だった。短い髪であり、頬には少しに黍が出ていた。ブレザーのような服を着ている。その顔立ちはどことなく品がよく、大人しそうで、幼げだった。無表情ではあったが、やや動揺を含んだような視線を傍聴席に投げかけ、入廷する。人定質問には、小さな聞き取りにくい声で答えていた。
 裁判長達が入廷し、公判は開始された。被告人の手錠は外される。

女性職員「A被告に対する、住居侵入等事件につき開廷します」
裁判長「はい、それでは前出てください」
 被告人は、証言台の前に立つ。
裁判長「名前は何と言いますか?」
被告人「Aです」
 はっきりしない発音だった。微妙に声が震えているようにも聞こえる。
裁判長「A?」
被告人「A’(ファーストネーム)です」
裁判長「生年月日は」
被告人「昭和63年の8月26日です」
裁判長「本籍はどこですか?」
被告人「東京都町田市」
裁判長「東京都町田市ですね。住んでる所は?」
被告人「あ・・・」
裁判長「同じで、・・・・で?何方ですか?」
被告人「A方です」
裁判長「A方。仕事は何ですか?」
被告人「現在は無職です」
裁判長「無職ね。それじゃあ、戻ってください」
 被告人は、被告席に座る。
裁判長「それでは、控訴の主意は、検察官作成の控訴趣意書記載の通りという事でよろしいですね」
検察官「はい」
裁判長「で、これに対する答弁は、弁護人作成の控訴趣意書記載の通りでよろしいですか?」
弁護人「はい、結構です」
裁判長「それで、事実の取調べについて、検察官請求の書証は、この通り請求される」
検察官「その通りに請求します」
裁判長「弁護人、ご意見はいかがですか?」
弁護人「番号8の報告書、9の報告書、これについては不同意です。それ以外については同意いたします」
裁判長「はい。では、同意のあったものについては採用いたします。要旨はどうされますか」
検察官「結構です」
裁判長「弁護人は特にないですね」
弁護人「ええ、別にありません」
裁判長「それでは、これで結審して、判決は、・・・・それでは判決は、10月9日の午後1時半は如何でしょうか?」
検察官「結構です」
裁判長「よろしいですか?弁護人は?」
弁護人「えー、あの、別の所が入ってるんで」
裁判長「それでは、11日の11時半」
弁護人「ええ、結構です」
裁判長「よろしいですか。検察官どうですか?」
検察官「はい、結構です」
裁判長「それでは、判決は、10月11日木曜日、午前11時30分です。じゃあ今日は終わります」

 3時2分に公判は終わった。板橋事件、寝屋川事件とは、雲泥の差である。
 被告人は公判の間、下を向いていた。閉廷後、傍聴席の方に一瞥をくれ、退廷した。

事件概要  A被告は、2005年7月〜06年9月、東京都町田市や神奈川県相模原市において、7〜14歳の少女9人に対して強姦したり、わいせつな行為を行ったとされる。
報告者 相馬さん


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