裁判所・部 東京高等裁判所・刑事第四部
事件番号 平成18年(う)第799号
事件名 強盗殺人、強盗強姦、死体遺棄、窃盗
被告名 A B
担当判事 仙波厚(裁判長)
日付 2006.6.13 内容 初公判

 A被告は肌が白く、背が低く、小太りで白い服を着ていた。
 B被告は肌が黒く、背が低く、髪は茶髪で長く、細身で紺色の服を着ていた。

 2被告に人定質問を行う。
氏名:A(たかぎまさゆき)
生年月日:昭和55年4月5日
本籍地:長野県下諏訪町・・・
控訴理由「わかりません」

氏名:B(かわかみみか)
生年月日:昭和58年2月8日
本籍地:長野県大町市・・・
控訴理由「自分が手を出したわけでないから刑を軽くして欲しい」

 弁護側と検察側が意見陳述を行う。
 弁護側は無期懲役は不当であることを主張。
 検察側は意味の無い上告を主張。
 その後、A被告の被告人質問に入る。

−弁護人によるA被告への被告人質問−
弁護人「どのような理由で控訴したのですか?」
A「おぼえてないです」
弁護人「あなたは強盗殺人などに関わったことを覚えていますか?」
A「おぼえてないです」
弁護人「いつ頃から記憶が無くなったのですか?」
A「分からないです」
弁護人「後ろに座っている女性が誰であるか分かりますか?」
A「元妻のBです」
弁護人「Bさんの記憶は覚えているのですか?」
A「はい」
弁護人「その女性との間の子供は覚えていますか?」
A「覚えてないですけれど先生にこれが自分達の子供だよと言われました」
弁護人「記憶を失うようなきっかけがあったのですか?」
A「気が付いたらなくなっていました」
弁護人「いつごろからですか?」
A「忘れてしまいました」
弁護人「東京拘置所で薬を飲んでいますか?」
A「安定剤と●●を飲んでいます」
弁護人「長野で薬を飲んでいた記憶はありますか?」
A「ないです」
弁護人「夜は眠れていますか?」
A「眠れてないです」
弁護人「なぜですか?」
A「寝ようとすると悪い夢見るからです」
弁護人「どんな夢ですか?」
A「殺される夢とか・・・」
弁護人「どうやって殺されるのですか?」
A「包丁で刺されたり、首をしめられたりして殺される夢を見ます」
弁護人「誰に殺されるのですか?」
A「男の人と女の人です」
弁護人「若い人ですか?年取った人ですか?」
A「若いです」
弁護人「毎日のようにですか?」
A「ほぼ毎日」
弁護人「第1審では死にたい気持ちがありましたが現在はありますか?」
A「あります」
弁護人「なぜ死にたいと思うのですか?」
A「生きていてもつまらないからです」
弁護人「東京拘置所では1人部屋ですか?何人かと一緒の部屋ですか?」
A「1人部屋です」
弁護人「1日中会話しない日が続くのですか?」
A「はい」
弁護人「Y1さんを知っていますか?」
A「知ってないです」
弁護人「宮坂裕さんを知っていますか?」
A「知っています」
弁護人「宮坂裕さんとはいつから一緒だったのですか?」
A「中学校時代から一緒です」
弁護人「成人してから会ってますか?」
A「わからないです」
弁護人「お母さんの名前は何といいますか?」
A「Aさちこ」
弁護人「お母さんに手紙を出しましたか?」
A「はい」
弁護人「お母さんと暮らしていたことはありますか?」
A「あります」
弁護人「いつごろまで暮らしていましたか?」
A「はっきりおぼえてないですけれど・・・・・」
弁護人「あなたは仕事をしていましたか?」
A「だいたい」
弁護人「何というところに勤めていましたか?」
A「北斗急送です」
弁護人「いつ頃までですか?」
A「忘れてしまいました」
弁護人「お弁当屋さんに勤めていましたか?」
A「おぼえてないです」
弁護人「あなたは記憶が無いのに人を殺す根拠はありますか?」
A「殺してもいないのに殺したというのもおかしいと思います。」
弁護人「あなたの大切な人を誰かに殺されたらどういう気持ちになりますか?」
A「許せないと思います。」
弁護人「あなたが誰かを殺したらどういう気持ちですか?」
A「申し訳ない気持ちです。」
弁護人「Bさんに手紙を出した記憶はありますか?」
A「あります」
弁護人「東京拘置所の発信記録を見れば分かるけれど何回出しましたか?」
A「おぼえてないです」
弁護人「どういう内容ですか?」
A「記憶にないです」
弁護人「東京拘置所では他の人と運動は一緒ですか?」
A「運動出てないので分からないです」

−検察官によるA被告への被告人質問−
検察官「あなたは、人を殺してないから助けてください、自分が殺したわけでもないのに殺したことについて記憶が無いと言って逃げようとしているのではないですか?」
 A被告は黙っていた。
検察官「あなたは自分の立場は分かっていますか?」
A「はい」
検察官「あなたはなぜ身柄を拘束されたのですか?」
A「わかりません」
検察官「いつ頃から記憶にないのですか?」
A「21日頃から記憶にないので」
検察官「21日と言いかけたのは意味無いのですか?」
A「わかりません」
検察官「21日とはあなたが21、22歳の時から記憶が無いということですか?」
A「はい」
検察官「A被告問答はできていて、何を聞かれているか分かって話していることもある」

−弁護人によるB被告への被告人質問−
弁護人「A被告の質問で、A被告が今のような状態になっていることについてですが、いつごろの手紙から記憶が無いことが分かりますか?」
B「1週間前です」
弁護人「あなたが書いた上申書の内容と供述調書の内容が違っている理由は何ですか?」」
B「取調べで警察に合わせたからです。」
弁護人「警察の取調べは長時間でしたか?」
B「はい」
弁護人「自分のお腹の中に負担をかけたくないから警察に合わせたのですか?」
B「はい」
弁護人「主犯はA被告であることですか?」
B「はい」
弁護人「自分の意思に反して犯行に加わったのはA被告から暴力奮われる恐れがあったからですか?」
B「はい」
弁護人「被害者に対してお詫びしたい気持ちで過ごしていますか?」
B「はい」
弁護人「嘆願書については感謝していますか?」
B「はい」
弁護人「更正して世の中のために尽くしたいことが現在の気持ちでいい?」
B「はい」

−検察官によるB被告への被告人質問−
検察官「主犯格はA被告であなたは主犯ではないことで刑を軽くしてほしいということですか?」
B「何て言ったらいいのかな。事件に対しては確かに悪いことしたという気持ちはあります。ですが、何て言ったらいいのかな。一緒にしてほしいということじゃないんですけど、何て言ったらいいのかな。やってしまったことに対して重い罪では仕方が無いと思います。正直に言えば刑を軽くしてもらいたいと思います」
検察官「犯行当日はどういうことがきっかけで事件が起きたのですか?」
B「私の起こした行動でっていうことですか?」
検察官「事件を起こす前被害者が謝らないことで行動したんじゃないの?」
B「いえ・・・」
検察官「あなたが許せないという態度を取ったから他の2人が事件起こしたんじゃないの?」
B「・・・」
検察官「事件の前A被告とやりとりしたことについて、もうウェディングドレスも着られないんだね、と言いましたか?」
B「言ってません」
検察官「Aと抱き合った時に何と言いましたか?」
B「言葉全部は思い出せませんが、ごめんねと言いました」
検察官「そういう事件だからこんな発言をしたのですか?
B「何て言ったらいいのかな。私が被害者に怒ったせいで実際こういう事件起こしてしまったことについて、それに対してAの・・・」
検察官「大変なことをやったということを自覚しているのですか?」
B「はい」
 B被告は被告人席に戻る際、遺族席を睨みつける。

 遺族の意見陳述になり、遺族が手記を読む
 先日被害者の彼氏が自殺したので、被告は2人も殺しているのと同じ。2人を死刑にしてほしいという内容。
 弁護人が、A被告が記憶が無いと言うので意見を聞くことができないので、記憶喪失を鑑定請求するが、裁判長は却下する。
 裁判は結審し、次回判決は7月6日15:00言い渡しになる。

事件概要  両被告は2005年4月1日、長野県塩尻市で女性店員を暴行した後、金品を奪って絞殺したとされる。
報告者 匿名希望Bさん


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