裁判所・部 | 東京高等裁判所・第八刑事部 | ||
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事件番号 | 平成17年(う)第2910号 | ||
事件名 | 住居侵入、強盗殺人(変更後の訴因・住居侵入、強盗強姦、強盗殺人)、窃盗、住居侵入、強盗殺人未遂、建造物侵入 | ||
被告名 | 落合茂 | ||
担当判事 | 阿部文洋(裁判長)高梨雅夫(右陪席)原田保孝(左陪席) | ||
その他 | 書記官:松本、長谷川 | ||
日付 | 2006.3.2 | 内容 | 初公判 |
落合茂の控訴審初公判は、719号法廷で11時30分から行われた。 検察官は、髪を後ろで束ねた、眼鏡をかけた中年女性だった。安藤義雄、大塚裕也の審理を担当していた検察官である。開廷前には何かを書き、書類をめくっていた。 私は、右端の前の方の席に座っていた所、職員の男性に、「この事件の被害者の関係の方ですか」と尋ねられ、否定すると、席を移るように言われたので、席を移動した。席には何の印も無かったが、どうやら遺族席が指定されていたらしい。その少し後に、遺族と思われる男女4名と殺人事件の被害者の父親が入廷し、私の座っていた辺りの席に座る。 傍聴人は、私を除いて4名程度だった。 弁護人は、丸顔で浅黒い、髪を短く刈った初老の男性だった。 被告人は、細身で、眉が濃く、髪を短く刈った中年男性。赤い服にジーンズといういでたち。どこに座ればいいのか戸惑った様子で、きょろきょろ周囲を見回しながら入廷し、刑務官に指示されて被告席に座る。 裁判長達が入廷し、被告人は、証言台の前に立つ。 裁判長「名前は?」 被告人「落合茂」 裁判長「生年月日は?」 被告人「昭和43年7月1日」 裁判長「本籍は?」 被告人「茨城県ひたちなか市大字コウヤ」 裁判長「住んでいる所は?」 被告人「最初の公判の時は、東京都足立区に住んでいました」 裁判長「つかまって住む場所が無くなった」 被告人「はい」 裁判長「仕事は?」 被告人「逮捕される前はゲームセンターの店員です」 被告人の声は、小さかった。裁判長に促されて、被告人席に戻る。被告人席の前には、机があり、書類も置かれていた。 弁護人は、検察官からの証拠請求について、全て同意する。検察官は、弁護人からの証拠請求に対して全て同意し、被告人質問の要求に対しては、「しかるべく」と答える。請求された証拠は、全て採用される。 弁護人の証拠は、先ずは戸籍謄本。立証主旨は、妻子の戸籍はその後どうなったか。 次は、被告人の書いた反省文。2月14日にかかれたものであり、八枚ある。事件や、自分の人生を振り返って述べている。また、以下のような事がその手紙には書いてある。 「今は、事件はマスコミで大きく取り上げられ、影響が大きい事はわかっています。被害者の方々には大きな悲しみを植え付けてしまい、親子末代まで不倶戴天の敵として語り継がれる思います。謙虚に受け止め、誠意を持って謝罪するつもりです。二審で極刑に処されてもやむをえないと考えています。極刑に処されれば上告しない覚悟です」 次回は被告人質問となり、期日は4月11日午後1時30分からに指定される。その旨を被告人に確認すると、被告人は「はい」と答える。 そして、閉廷する。11時36分ぐらいの事だった。 被告人は、自分が書いた手紙が読み上げられている間は、目を閉じて聞き入っていた。他の時は、机の上に置かれた書類を見ていたり、下を向いていたこともあった。 退廷する時は、遺族席に向けて深々と頭を下げていた。 被告人が頭を下げたことに対し、遺族の初老の女性や被害者の父親は、体を少し前に傾けていた。また、遺族の初老の女性は、被害者の遺影を持っていたので、恐らくは遺影を被告人に向けて掲げていたと思われる。 閉廷後、遺族の人々は、少しの間、廊下で何か話していた。 「気持ちは裁判官に伝えておきました」という、検察官のものと思われる声も聞こえた。 | |||
事件概要 |
落合被告は強盗目的で以下の犯罪を起こしたとされる。 1:2003年7月7日、茨城県水戸市で女性会社員を包丁で刺して重傷を負わせた。 2:2003年7月17日、茨城県那珂市で女性会社員を絞殺した。 |
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報告者 | 相馬さん |