裁判所・部 | 東京高等裁判所・第三刑事部 | ||
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事件番号 | |||
事件名 | 殺人、同未遂 | ||
被告名 | B | ||
担当判事 | 中川武隆(裁判長) | ||
日付 | 2005.8.17 | 内容 | 判決 |
傍聴席は殆ど埋まっていた。 被告は、黒髪を長く伸ばした中年の痩せた女性だった。沈んだ、暗い印象を受ける。上半身は白いTシャツ、下半身は茶色いズボン。赤いサンダルを履いている。 この日は、東京高裁で被告に判決が言い渡された。 −判決− 主文、本件控訴を棄却する。220日を算入する。 −理由− 事実誤認はない。 被告の母とAと共謀し、被害者である妹を殺害しようとしたが、目的を遂げなかった。そして、被告の夫を殺害しようとしたが、目的を遂げなかった。 保険会社から金を騙し取る。 そして、母、Aと共謀し、三度妹の殺害を図り、首を絞め、頭部を車で轢いて殺害した。 母照子と共謀の上、妹の生命保険金を詐取する。 原判決は不当とはいえない。 以上の通り、妹、夫殺しをAに依頼した事などを供述し、高裁でもそれを維持している。Aの供述とも概ね一致している。 当時親しかったAから巧みに持ちかけられた事に端を発するが、被告も一方的に利用されたものではなく、深沢家の窮状、自分の夫婦仲を訴える等している。 また、三度目の妹殺しの企みの際には、母と共に積極的に依頼している。Aが一連の殺害計画を実現する上で重要な役割を果たしており、Aとその重要性は同等である。 原審に事実誤認はない。 業務上過失傷害を除けば前科のない事、夫が被告を許し、刑を軽くするよう供述している事を考慮しても、Aと同じく被告を無期懲役にすることはやむをえない。 被告は、目を閉じ俯いて判決を聞いていた。退廷する時、悲しそうな、泣きそうな表情を浮かべていたように感じられた。 裁判官は、早口で淡々とした口調で判決文を読み上げていた。 | |||
事件概要 |
B被告は保険金目的で、他数名と共に、1999年8月6日、埼玉県美里町の路上で妹を乗用車でひき殺したとされる。 その他、夫に対する保険金殺人未遂事件を起こしている。 |
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報告者 | 相馬さん |