裁判所・部 東京高等裁判所・第十一刑事部
事件番号 平成13年(う)第1227号
事件名 殺人、死体損壊、死体遺棄
被告名 関根元、風間博子
担当判事 白木勇(裁判長)高橋徹(右陪席)忠鉢孝史(左陪席)
日付 2004.4.5 内容 被告人質問

 この日の裁判は関根被告に対する弁護側からの被告人質問で、主任弁護士と関根被告とのやり取りがつづくといった形でした。風間被告は、ずっとノートにメモをとっているだけで、自分の犯行についての話が出ても、特に表情を変えませんでした。風間被告は普通のおばさんにしか見えないし、関根被告もみかけはただのハゲのじいちゃんにしか見えないんですけどね〜。
 傍聴人の中でも、そういう話をしている人がいましたが、「やっぱり、柵の向こうの人がすげぇ人ばっかりなんだな」というようなことを言っていました。

 弁護側の「一審の浦和地裁の判決は死刑でしたね。あなたはこれに対してどう思いますか?」、という質問に対し、「私は、Kさん、Eさん、Wさん、Sさん(被害者の名前)、は一人も殺していません」と強い口調で答え、一審で殺害に関して無罪とされ、死体損壊・遺棄罪のみに問われた志麻(関根被告は「しまさん」と言っていたような気がしたが)が一連の殺害の実行犯で、自分は志麻に殺害を依頼し、遺体の解体・遺棄をしただけであると一審判決の事実誤認を主張した(これで軽くなるのだろうか?結局は殺人教唆罪なのでは?公訴棄却でも狙ってるのだろうか?)。さらに、志麻について関根被告は「警察や検事と(司法取引をして)組んでいる」と強い口調で非難。
 ここまでは威勢のよかった関根被告でしたが、具体的な犯行内容の質問になると、老人のしゃがれたような声で答えるようになり、聞き取りが困難でした。
 Kさん殺害について、一審では毒殺とされたが、関根被告は志麻が犬のリードで絞殺し、自分が解体した。Eさん殺害について、風間被告が毒殺し、遺体の解体は、6割が自分がやり、4割は風間被告が、志麻は皮をはぐなどをした。Wさん殺害したあと、6割は自分が、4割は志麻が解体し、志麻は傷をつけて皮をはぐなどし、Sさんの解体は自分がしたと主張した(何がどう6割なのかは想像したくもないが)。
 被害者について、関根被告は「うらみもつらみもなかった。本当にすまないことをした」と、被害者それぞれについて質問されると、「申し訳ない」、「すまないと思う」と繰り返した。
 遺体の一部がまともに見つかっていないKさんの遺族については少し沈黙したあと「言葉が見つからないほど申し訳ない気持ちでいっぱいです」と答えた。殺害された4人のなかで、一人だけ女性だった。
 Sさんについては、「(殺したのが)女だと思うと、なおさら申し訳ない」と答えた。被害者が成仏するように、何か特別なことをしているかという質問には、「特別なこと(拘置所なので、仏壇を置くこと)はしていないが、手をあわせて、冥福を祈るぐらいのことはしています」と答えた。さらに、人を殺して気分がよかったか、遺体を解体して何か気持ちがふっきれたりしたようなことがあったかという質問には、「ありません」と答え、「将来このような事件を再び起こすと思うか」に対しては「絶対にありません」と強い口調で答えた。そして、情状証人として出廷した息子が、「父は日本一の商売人です」と言っていたことに対し、「ほめられればほめられるほど、申し訳なく思います」といった。
 志麻について、なぜ関根たちについてきたのかに対しては、「成績のよい犬をだす自分と博子と一緒にいれば、いい顔ができると思ったのだと思います」と答え、志麻についてどう思うかについては、「あれをしてくれといわなければ何もしないし、逆に自分が何かしてほしいときは何もしないといった性格で、その点では気が利かないと思います」と答えた。さらに、関根、風間両被告は志麻を信用していたわけではなかったが、どうして人殺しの一味にしたのかに対して、「志麻は拒絶するわけでもなく、むしろ『今まで黙っていたけども、俺は殺人未遂と傷害の事件を起こしたことがある』などといい、(ここまでは聞き取れたが、あとはよく聞き取れなかった)積極的に犯行に加担した」と答え、「志麻はいやいややっていたわけでもなく、自分が脅迫したわけでもない」と付け加えた。
 風間博子被告について、関根被告は「信頼し、愛していた」といっていたが、「しかし、今はもう愛情はない」とも付け加えた。このあとは、関根、風間両被告の浮気やら、ペット店の経営状況などの質問が続く。

 一回休憩をはさんだあと、さらに被告人質問は続きました。しかし、ここで事件が起こります。この裁判がバラバラ殺人の事件だからか、どうも変な傍聴人が現れたんです。
 休憩が終わったあと、まずはKさん殺害について、関根被告は、「金を払って済まそうか」といったが、風間被告がKさん殺害を言い出したと答えた。さらに、一審では毒殺とされたが、実際は絞殺で、志麻が言い出し、志麻が実行したと答えた。そして、毒殺ということはまったく出てこなかったとも付け加えた。志麻に殺害を持ちかけると、簡単に引き受け、志麻の家で解体したあと、「(死体を捨てるのは)山のなかだし、タヌキや鳥や虫もいっぱいいるから、一日でなくなる」と言ったと供述した。
 この件りで、傍聴人の一人があからさまに鼻で笑いました。このあともにやにやしながら、鼻息を荒くして傍聴していました。このあと、Kさんを絞め殺すのは手伝っていないと主張し、Kさんは志麻に犬のリードで絞殺されたが、抵抗なく、一息で死んだといいました。
 ここで、白木裁判長は弁護人の質問をさえぎり、「そこの、真ん中の前から2番目の傍聴人」と指差し、「ちょっと外に出て顔でも洗ってきなさい。さっきから質問に笑ったり態度が悪い。何者かは知らないが」と、退廷命令を出しました。その傍聴人は、特に抗議したりすることもなく、裁判所の職員に従って退廷しました。
 志麻はKさん殺害をEさんに話してしまい、風間、関根両被告はEさんに強請られるようになる。風間被告は関根被告の腕にすがり、「元さん、このままじゃあいつに、元さんが一生懸命働いて建てた家も、何が何でもとられるよ。私があいつを殺すから、あんた手伝って」と何度も言ったという。このとき、いつもは「元さん」と風間被告は呼ぶが、「このとき初めて「あんた」と呼んだ。
 Eさんは、暴力団の幹部で、100kg以上もある体格なので、Kさん殺害のように、絞殺はできないから、毒殺にしようと風間被告が言った。さらに、Eさんの付き人だったWさんについては、「Wを殺るのは可哀想だけど、Eをやって、Wを殺らないわけにはいかない」ということになった。
 (Wさんを殺さずに)Eさんだけを殺害するということは考えられなかったのかという質問に対して、「考えられませんでした。この2人はいつも一緒にいましたから」と答えた。犯行には、風間、関根両被告と志麻の3人でEさんの家に入り、風間被告が毒を、関根被告が栄養剤を渡すと、Eさんはすぐに飲んだという。Eさんは、「腹が痛い」とは訴えたが、顔にはつやがあり、「社長、救急車呼んでくれ」と言い、関根被告が救急車を呼ぶ振りをし、そして「社長、救急車きねー(来ねー)」と笑いながら死んだという。
 Wさんには、志麻が首を絞めて殺害し、関根被告は見張り番しかしていないと主張。Wさんは、首を絞められたとき、あまり抵抗は強くなく、足で窓を割るぐらいだったという。2人の遺体は、浴室で解体した。風間被告が2人の足、太腿を切断し、そして男性器を切り落としたあと、「私もう切れないわ〜」とゲラゲラ笑っていたという。

報告者 Doneさん


戻る
inserted by FC2 system