裁判所・部 東京地方裁判所・刑事第七部単独係
事件番号 平成20年刑(わ)第2853号等
事件名 A:詐欺未遂、覚せい剤取締法違反
B、C:詐欺未遂
被告名 A、B、C
担当判事 前田巌(裁判官)
その他 書記官:吉成亜希子
日付 2008.11.18 内容 判決

 3被告は大人しそうな顔つきのどこにでもいるような高校生のような男性たち。2人は髪を短く刈っていた。
 開廷すると弁護人(3人同一)がA被告人の裁判官宛の上申書を提出して再開・結審した。そのまま3人を証言台の前に立たせて判決宣告。

−主文−
 被告人Aを懲役3年に、被告人Cおよび被告人Bを懲役2年6月にそれぞれ処する。被告人Aに対し4年間、被告人CおよびBに対して3年間、その刑の執行を猶予する。被告人Aをその間保護観察に付する。

−理由−
 当裁判所で取り調べた関係各証拠から公訴事実を認定しました。
 被告人3名は親族を装って「会社のお金を500万円横領して株につぎ込んだ。100万円は用意できるから400万円を監査が入るまでに用意して」などと言って66歳の女性から金を騙し取ろうとしたが見破られて警察に通報された。(報道では被告人らは100件以上電話をかけたが一度も成功しなかったとのこと)またAは覚せい剤0.6gをみだりに所持した。
 本件は被告人3名が共犯者1名とともにいわゆるオレオレ詐欺を敢行したが被害女性に見破られて未遂に終わった詐欺未遂、およびAにかかる覚せい剤取締法違反の事案である。被害者の息子役、部下として現金を受け取る役、その見張り役などと役割分担し態様は悪質である。いずれも金欲しさから犯行に加わり、Aは共犯を誘い入れるなど首謀者と言える。他方前科がないこと、遂行方法に稚拙な面があったこと、事実を素直に認めていること、被害者に謝罪文を送付していること、郷里の親が情状証人として出廷していることなど、酌むべき事情も一定程度存在する。よって主文のとおり刑の執行を猶予することにしました。

 このあと裁判官が丁寧に執行猶予の説明をして閉廷した。弁護人は被告人の母親らしき女性に「A君は実刑かと思ったけどギリギリ助かった」と言っていた。

報告者 insectさん


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