裁判所・部 東京地方裁判所・刑事第十三部
事件番号 平成19年(わ)第3422号等
事件名 常習賭博
被告名 A、B、C
担当判事 佐藤晋一郎(裁判長)
日付 2007.11.28 内容 判決

 突っ立った髪の色白でやや小太りのスポーツマン風の男性や、長身で目の細いカッコいいスーツの男性や茶髪がかったボサボサの髪の人相が濃い男性たちが、刑務官に連れられて、入廷してきた。

裁判官「それでは開廷いたします。被告人3名は前に立ってください」
 被告人3人は証言台の前に並んで立つ。
裁判官「被告人3名に対する常習賭博被告事件につき判決を言い渡します」

−主文−
 被告人Cと被告人Bを懲役1年に処する。被告人Aを懲役1年2月に処する。被告に3名に対して3年間その刑の執行を猶予する。

−理由−
 罪となるべき事実であるが、Aは氏名不詳者とともに歌舞伎町のビルで遊戯店「victory」を統括し、BとCは同店の従業員だった。
 被告人3名は氏名不詳者と共謀のうえ、平成19年6月19日から9月15日までの間、パチスロ機と称する、金銭を掛けて、画面にも表示が出る賭博をしたものである。
 量刑の理由だが、本件は被告人3名が共犯者と共謀のうえ「victory」内で常習として賭博を行っていたものである。態様は組織的かつ悪質で、利欲的な動機に酌量の余地はない。
 Aは売上金を管理するなど中心的な役割、CとBは客との対応や換金など必要不可欠な役割を果たしている。
 他方3名は前科前歴がないこと、それぞれ従業員に誘ったことを反省していること、3名は地元に帰って正業に就くことなど更生の意欲があるので、社会内での更生の機会を与えるべく刑の執行を猶予することにしました。執行猶予というのは、3年間何もなければ今言い渡した懲役1年、懲役1年2月という刑は効力を失うということです。とくに3年間は生活するうえで注意してください。執行猶予の判決ですが、有罪判決なので控訴することができます。控訴する場合は東京高等裁判所宛ての控訴申立書をこの裁判所に提出してください。

 執行猶予付きの判決が言い渡されると、関係者らしきカップルの茶髪の女性は涙ぐんでいた。被告人に似た背の高いボーイ服の男性や眼鏡をかけた中年女性も安堵したようだった。

 閉廷すると手錠はもう掛けられることはないが、被告人は刑務官と退廷していく。
弁護人「1回小菅に戻りますの?」
刑務官「はい」
 宅下げの関係上、すでに17時近くになっていたので被告人が釈放されるのは明日になるかもしれないと弁護人が被告人の家族に打診していた。

事件概要  被告達は、2007年6月19日−9月5日、東京都新宿区において、パチスロ機を用いた賭博を行ったとされる。
報告者 insectさん


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