裁判所・部 東京地方裁判所・刑事第十二部
事件番号 平成17年(わ)第4992号(B)
平成18年(わ)第176号(A)
平成18年(わ)第566号(C)
事件名 組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺、同未遂)
被告名 A、B、C
担当判事 井口修(裁判長)細野敦(右陪席)佐藤傑(左陪席)
その他 書記官:井上
検察官:内藤
日付 2007.5.21 内容 被告人質問

 515法廷で開かれていたサムニングループによるリフォーム詐欺事件の第24回公判では、C被告の弁護人が「10分程度」と裁判長の許可を取り、B被告への補充尋問を始めた。裁判官の構成や検察官はテレビ撮影が行われたクラブキッズ事件と同じである。
 グループ幹部の3被告の身柄は否認事件らしく「拘束」であり、傍聴席には関係者らしき派手な男女や裁判傍聴の本も出している吉本興業の芸人も在廷していた。
 ちなみに一連の事件で同様に起訴された複数の共犯者は全員実刑判決が下されている。

−弁護人によるC被告への被告人質問−
弁護人「エム・エイチ・エスでは補強金具の訪問販売をしていたのですか」
被告人「はい」
弁護人「エム・エイチ・エスの事業を決めるに当たって、Bさんは関与されていましたか」
被告人「いいえ」
弁護人「Cさんから何らかの相談を受けたことは」
被告人「ないです」
弁護人「Bさんが関与したもので、エム・エイチ・エスが補強金具以外の事業を始めようとしたことはありますか」
被告人「整体事業ですね」
弁護人「グローバルハウジングの事業についてはどうですか」
被告人「グローバルハウジングについてはY1という責任者がよその会社と打ち合わせして、その段階ではもう出来上がっていました」
弁護人「営業方法、検察官が営業トークと言っているものですが、それについて被告人はCさんから具体的な指導を受けたことがありますか」
被告人「ないです」
弁護人「会社のなかでのBさんの立場ですが、Bさんはエム・エイチ・エスグループの幹部と呼ばれていた」
被告人「はい」
弁護人「エム・エイチ・エスの経営の方針に関与されたことはありますか」
被告人「1回もないです」
弁護人「あなたは月次会議に出席していたわけですね」
被告人「はい、総務のY2さんとかに言われて」
弁護人「あなたは月次会議で積極的に提案したりしていましたか」
被告人「それはないです」
弁護人「幹部と呼ばれているのは、どういう立場の人ですか」
被告人「幹部と呼ばれているのは・・部長も幹部ですね。役員じゃなくても。部長以上からかな?」
弁護人「極めて広い範囲だったと」
被告人「はい」
弁護人「Bさんは常務の立場にいましたね」
被告人「はい」
弁護人「なぜBさんが常務になったのですか」
被告人「自分の口からは何とも言えないです」
弁護人「本音で分からないのか、自分の口からは言えないのかどっちですか」
被告人「本音で分からないです」
弁護人「Bさんを常務にしたのは誰ですか」
被告人「辞令にはC社長の名前がありました」
弁護人「Dさんも役付役員になったのですか」
被告人「はい」
弁護人「Bさんは東関東、Dさんは西関東統括という位置づけでよろしいですか」
被告人「はい」
弁護人「両名が常務にならないと不公平というので幹部になったのですか」
被告人「それは分からないです」
弁護人「Bさんを役職として登用するに当たり人間関係を重視されたのですか」
被告人「その傾向はありました」
弁護人「幹部とか中心人物と言われる人たちは、会社が苦しいとき乗り越えた人たち?」
被告人「はい」
弁護人「Bさんも含めてそうなんじゃないですか」
被告人「はい」

−内藤検察官によるC被告への被告人質問−
検察官「前回の公判でY3に発出した文書も確認しましたよね」
被告人「はい」
検察官「あのようなやりとりがあっても問題があったような営業行為はしていないと?」
被告人「はい」
検察官「なぜあのようにY3と揉めたのですか。それでもサムニンの営業行為が問題あるとは思わなかったのですか」
被告人「営業行為と言うよりもアポインターの話し方が誤認を招く感はあったかもしれないですね」
検察官「平成15年の2月にあなたが単独で発出した文書を読んでみると、どう見ても詫び状という趣旨にしか見えないのですが」
被告人「詫び状ではないです。Y3さんを邪険に扱うわけにはいかないと」
検察官「Y3との問題で営業部に注意喚起をする文書を送っているが、なぜ営業の責任者の名前で出さなかったのですか」
被告人「あまり深く考えてないです」
検察官「よそからの苦情の窓口は、管理のほうで受けるんじゃないですか」
被告人「管理のほうじゃなくて、苦情はアフターですね」
検察官「あなたは管理本部長という役職にいましたね」
被告人「管理本部長というよりも、エム・エイチ・エスの常務という認識でした」

 検察官は他にも「あなたは営業行為に関与していないというが、あなたの名前で『営業部のみなさんへ』と書かれている」「会社のことだからあなたの名前で出したのではないのか」と被告人に質問をしていた。

事件概要  被告達は2002年12月〜04年2月、C被告が経営する会社の従業員に「このままだと柱が割れて落ちてしまう」などとうそを言わせ、埼玉県越谷市の無職男性ら5人から、住宅改修工事の代金約426万円をだまし取るなどしたとされる。
報告者 insectさん


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