裁判所・部 東京地方裁判所・第十七刑事部
事件番号 平成18年特(わ)第2211号
事件名 建設業法違反
被告名
担当判事 登石郁郎(裁判長)井下田英樹(右陪席)神吉康二(左陪席)
その他 書記官:山中美和
検察官:吉田、水倉
日付 2006.9.20 内容 証人尋問

 初公判のときには体重が逮捕時よりも30kg近くも落ち込み、ほおがこけ、非常にやつれた様子でした。

 この日の公判は、木村建設の社長後継者の一人で、専務・代表取締役のB被告の証人尋問でした。しかし、B証人は質問に対して、「わからない」「覚えていない」「記憶にない」を連発。しまいには・・・

検察官「あなた、今日記憶に基づいて本当のことを話しているんですか?」
証人「はい(はっきりした口調で)」
検察官「では、平成16年の12月30日の会議は何の会議で、どんなことが話されたんですか?」
証人「記憶にありません」
検察官「そこで、あなたが木村社長から怒られたことは覚えているんでしょう?」
証人「はい」
検察官「どうして怒られたんですか?」
証人「・・・よくわかりません」
検察官「10億円以上の赤字が出たからじゃないんですか?」
証人「記憶にありません」
検察官「記憶にないと断言できるんですか?社長の後継者で代表取締役という地位のあなたが、社内の経営状況を把握していなかったんですか?」
証人「・・・覚えていません」
検察官「あなたは今日本当に正直に証言しているんですか?」
証人「はい」
検察官「あなたは被告人をかばうために、『記憶がない』とか『わからない』とか繰り返しているんじゃないですか?」
証人「いいえ」

 この後、左陪席判事や裁判長からも質問が相次ぎました。
 会議に出てそこで怒られたのに、会議の内容どころか怒られた理由までわからないっていうのは不自然だと思いました。

事件概要  木村建設ではA被告が中心となり、平成9年に東京都足立区のマンション「ゼファー北千住」の工事を受注したが、約2億円の赤字を出した。
 A被告は自らの失敗が原因となって、赤字決算を理由に建設業の認可を取り消されるのを回避することを計画。決算での赤字計上をさけ、翌期に計上すべき工事を前倒しして今期の売上高に記載する手口で粉飾を始め、無理をしてでも安く多くの工事を受注することで自転車操業的に粉飾を重ねていったとされる。
 A被告は「支店長では本社の粉飾決算は分からない」と否認しているが、検察側は、同社の売り上げの7割を占める東京支店を仕切り、社内で次期社長候補として、木村盛好社長に次ぐ給料を得ていたA被告が、粉飾に利用する工事を経理担当に具体的に指定するなど主導していたとされる。
報告者 Doneさん blog


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