裁判所・部 東京地方裁判所・刑事第十二部
事件番号 平成17年刑(わ)4067号等
事件名 建造物侵入
被告名
担当判事 大島隆明(裁判長)小林愛子(右陪席)佐藤傑(左陪席)
日付 2006.1.19 内容 初公判

 A被告の初公判は、515号法廷で行われた。11時からの予定だったが、前に行われていた公判が11時7分ぐらいまで延長されたので、その分遅れて始まった。
 傍聴人は、前の公判から10名程度居た。マスコミ関係者らしき人も散見された。
 被告は、ジャージの上下の、貧相な印象を与える外見の、30代の男性。丸坊主で、口がへの字だった。顔立ちや、やたらと下を向いていたため、不安そうに見える。

裁判長「名前は?」
被告「A」
裁判長「生年月日は?」
被告「昭和43年5月20日」
裁判長「本籍は?」
被告「神奈川県川崎市」
裁判長「住所不定」
被告「はい」
裁判長「無職」
被告「はい」

 検察官が起訴状を読み上げる。確か、髪の長い若い女性で、起訴事実の読み上げ、証拠の告知を行ったのもこの人だった。

−起訴状−
 公訴事実。
 被告人は、氏名不詳と共謀の上、平成17年10月13日、カード情報盗撮の目的で、品川区東五反田UFJ銀行東京五反田駅前出張所に侵入したものです。

裁判長「起訴事実については?」
被告「間違いありません」
裁判長「弁護人は?」
弁護人「被告人と同じです」
 続いて、起訴事実が読み上げられる。

−冒頭陳述−
 被告人は、職を転々とし、平成8年からは無職だった。二度の婚姻歴がある。
 借金の催促が来るようになり、勤めていたタクシー会社から逃げ出し、無為徒食の日々を送っていた。
 中国人風の男から面接を受け、犯罪と知りつつ仕事を承諾する。
 複数名と共にキャッシュコーナーに侵入。被告人は連絡係を担当する。
 平成17年10月13日、共犯者と共にキャッシュカメラを取り付け撮影を繰り返す。五反田店に入り、右ATMにカメラを設置し、そして、被告を残して共犯者は店を後にする。客が訪れ、その暗証番号は撮影された。被告人は、左のATMを無意味に操作し、カメラの操作を行う。
 その後、客から不審に思われ警察に連絡され、共犯者から警察が来たと連絡が来たので逃げようとしたが、逃げられず、逮捕された。

−書証の告知−
・甲1号証拠は、通報した客の調書。「ATMが不審な男に占拠されて使用できず、一度外に出て、帰って来たらまだ居たので、不審に思い通報した」等と述べている。
・甲2号証は、店員の調書。「左ATMを長時間に渡って占拠するのは業務妨害であり、厳しく裁いてください」等と述べている。
・甲7号証は、被告がリモコンなどを任意提出したという内容。
・甲11号証は、任意提出した物の写真撮影。
・甲15号証は、電子機器、リモコンの機能鑑定。その結果は、甲16号に示されている。
・甲16号証は、鑑定したものは一組の電子機器である、等という内容。
・乙1号証は、被告人の心境が記載された調書。
・乙2〜7号証は、被告人の調書。このままでは浮浪者になると思い犯行を引き受けた、本件以前にも共犯者と共に犯行を行っている、という内容。

 弁護人は、被告は相被告人のために裁判が長引くのが苦痛であり、早急に判決を求める、と述べる
裁判長「今回の審理はここまで。次回は2月に12月16日付起訴の審理をする」
 被告は、公判の間、目を何度もしばたいていた。
 公判は、11時22分に終わった。

事件概要  A被告は共犯と共に、2005年10月13日、カード情報盗撮の目的で、品川区東五反田UFJ銀行東京五反田駅前出張所に侵入したとされる。
報告者 相馬さん


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