裁判所・部 千葉地方裁判所・刑事第5部
事件番号 平成25年(わ)第1989号等(裁判員事件)
事件名 強盗殺人、窃盗、傷害、覚醒剤取締法違反
被告名 板橋雄太
担当判事 高橋康明(裁判長)鈴木敦士(右陪席)岡井麻奈美(左陪席)
その他 書記官:橋本真弓
日付 2015.6.25 内容 証人尋問

703号法廷にて審理
予定審理時間 10:00〜17:00

検察官2名、弁護人3名が在廷。
9:57 拘置所職員2名に連れられて被告人板橋雄太入廷。
黒縁メガネ、黒スーツに白ワイシャツ姿、色白で小太りの体型。
左手薬指に指輪状、右手甲に10円玉サイズの入れ墨あり。
傍聴席より見て右側にある弁護人長机の右端の席に座る。

10:00 拘置所職員2名に連れられて証人丸山和宏入廷。

10:02開廷
裁判長に促され証人丸山和宏が証言台前へ移動し人定質問を受け、証人本人である事を確認し、宣誓文を読む。
裁判長より証言に嘘があった場合、偽証罪で処罰される可能性がある事が説明される。
証人丸山和宏は早口で言葉数多く返答した。

−検察側質問(以下要旨)−
イグサ検察官より証人丸山への質問
検察官「平成25年2月22日に柏市でインプレッサの窃盗、及び強盗殺人があったのは知っていますか?」
丸山「はい」
検察官「インプレッサを運転していたのが誰かという事がこの裁判の争点となっていますが、運転していたのは誰ですか?」
丸山「板橋が運転していた。現場には自分と板橋と(窃盗共犯の)鮎川の3人がいた。自分と鮎川はハッチバック(盗難車両のハッチバック型インプレッサ 以下ハッチバックと略)に乗車していて、鮎川が運転し、自分は助手席にいた」
丸山は車4台に対する窃盗について裁判で懲役5年の判決を受け服役中である。
他にも車の窃盗をやっているとの事で検察官より「ざっくりどれ位やったんですか?」と聞かれ「500回位」と返した。
車の窃盗は板橋とも一緒にやった。
板橋以外の人間とも窃盗をやった。
盗んだ車はあちこちにある外国人が運営するヤードで買い取ってもらっており、(本件強盗殺人での強奪車両である)インプレッサも同様の処理をした。

・証人丸山から板橋に送った手紙2通について(平成26年2月頃に送ったもの)
平成26年2月頃は丸山自身の裁判の為、勾留されていた。
1通目は「千葉県警察の捜査で自分が窃盗グループのリーダー格という位置付けになっているが本当は違う」という主旨の文については、自分として不利な内容のまま捜査が進んでいくのはまずいという意味である。
「板橋の長期刑は避けられない」という文については本件強盗殺人について書いたものである。
2通目の「こうなったら雄太を悪者にして」という文については丸山自身早く社会復帰したく、自己保身から書いたものである。
板橋から丸山に沢山の手紙が来ており、強盗殺人については「そういうつもりは無かった。殺すつもりは無かった。相手が車に飛び乗ってきた」という主旨が書かれていた。

・鮎川との関係について
平成25年2月(本件強盗殺人の時期)の1年前位に自動車窃盗仲間として知り合う。

・板橋との関係について
地元の先輩・後輩の関係であり、関係が濃くなったのは平成24年夏頃である。
板橋から女性についての相談を受けたり、板橋に金を貸したりした。

・宮崎との関係について
15年前位に先輩の友人として知り合う。
車の窃盗とは無関係であり、窃盗車両の運搬を手伝ってもらった。

・本件強盗殺人現場の状況について
現場駐車場にインプレッサが止まっているのを知っていた為、自分と板橋と鮎川で現場に行った。
1週間位前に鮎川から情報を聞いた。
車の窃盗には足(待機車両)が1台必要で、最低2人必要となる。
板橋に(窃盗を手伝ってくれと)声を掛けた理由は、その時に自分と一緒の遊んでいてなんとなく同行する事となった。
2月22日早朝、丸山と板橋が、ターゲットとなるインプレッサの駐車場を知っている鮎川を呼んだ。
丸山と板橋はハッチバックに乗っていた。
鮎川は黒色セルシオで現場に向かった。

ここで弁護人より「誘導が多いので証人主体で喋らせる様にして下さい」と異議があり、裁判長は「指摘がありましたのでそうして下さい」と検察官に注意喚起した。

駐車場出口にハッチバックを停車し、運転席に鮎川、助手席に自分(丸山)がいた。
鮎川が運転席にいたのは現場が鮎川の地元であり道に詳しい事と、自身が眠くてうとうとしていた為である。
駐車場を出るときはハッチバックが先行し、インプレッサが後を追いかける形となり間隔は約10メートル位に見えた。
丸山が後ろを見るとアパートから人が出てくるのが見え、鮎川に伝えた。
ガシャンという音が聞こえボンネットの上に人がいて大の字になり左右のミラーを掴んでいた。
インプレッサは歩くみたいな速度、1〜5Km/hで蛇行したり急ブレーキしたりした。
車に掴まっていた人はインプレッサが右カーブを曲がる時の遠心力で、車からパイルドライバーを受ける様に頭から落ちた。
一回転して起き上がり、その後走って追い掛けている様に見えた。
検察官「(被害者の)怪我の状態からしてそれ(起き上がり追い掛けてくる事)は無いんじゃないか?」
丸山「立ち上がったのは100%です。間違い無く見てる」
ハッチバックを運転している鮎川に「(人が)落ちたんで(インプレッサの)前走っちゃっていいよ」と告げた。
その後、インプレッサとハッチバックは松戸駅近くの立体駐車場に行った。
立体駐車場には他の盗難車も仮置きしていた。
インプレッサを体駐車場に駐車し、立体駐車場の外で待機していたハッチバックに板橋が合流した。
ハッチバック車内では板橋が事件の様子を語っており、その後解散した。
平成25年2月22日、夕方から夜にかけて、インプレッサを含めた4台の盗難車をヤードに運搬した。
運搬したのは、自分(証人丸山)・鮎川・宮崎・前川(丸山の後輩)であり、1人1台運搬した。
当時、板橋に電話しても連絡が付かなかったが、連絡が付かない事はよくある事なので気にしなかった。
板橋とは何日後かに連絡が取れた。
(詳細時期不明であるが)板橋と警察に捕まらない方法や、捕まった時の事を相談した事があり「(強盗殺人現場に)3人以外に中東系外国人のモハメドさんがいたことにしよう」という話をしたが、鮎川がヘタを打って(警察に自供した為に)この言い訳は使えなくなった。
検察官「板橋を庇いたいと言う気持ちはありますか?」
丸山「もちろんです」と力強す
検察官「今はどうですか?」
丸山「無いとは言えないけど私のせいにされちゃうとちょっとがっかりです」

・インプレッサ盗難の報酬について
本件インプレッサの報酬は板橋には1円も渡していない。
自分(証人丸山)が(ヤードで買い取ってもらった)金を全部受け取り、運搬をした人に少し渡した。
自分の裁判では板橋が金を持って行ったと嘘の供述をした。
嘘をついた理由は自分の罪を軽くしたかった為である。
平成25年2月22日(本件強盗殺人)の2日前に(別の)インプレッサ(車種聞き取れず)とインテグラを盗み、窃盗罪で有罪判決を受けている。
10:48 検察側質問終了 休廷

11:18 被告人板橋雄太入廷
11:20 証人丸山和宏入廷
11:21 審理再開

−弁護側質問(以下要旨)−
タカハシ弁護人より証人丸山への質問
・鮎川との関係について
平成23年12月〜平成24年1月頃に知り合った。
鮎川が盗んだ車をヤードに買い取らせる仲介をしたり、ヤードへの運搬を取り仕切った。
(詳細は不明であるが)鮎川は平成24年末に裁判にて執行猶予判決を受け出所し、その際に出所祝いとして10万円を渡している。
平成25年2月22日、夕方から夜にかけてインプレッサを含めた4台の盗難車をヤードに運搬する為に鮎川に運搬を依頼し、また鮎川に3人呼んでくる様に依頼したが、鮎川を含め2人しか来なかった為、丸山は宮崎を呼んだ。

・車を盗む時に使用する工具について
タカハシ弁護人「鮎川は『丸山はいつも工具が入った黒カバンを持っていた』と捜査員に言っているが?」
丸山「黒や青のカバンの時もある。盗る為の工具は沢山持っていた」
インプレッサの車種を見つけたら教えてくれと鮎川に依頼していた。
平成25年2月22日早朝、インプレッサを盗る為の現場案内役として鮎川を呼んだ。
板橋とはハッチバックに乗っていたが、どこで鮎川と合流したかよく覚えていない。
自分は現場駐車場についた時、窃盗に使用する工具をトランクから出す為に一度下車した。
弁護人は現場写真と地図を用意して、その時の場所を証人丸山に指で示させた。

・被害者の動きについて
インプレッサを盗もうとしていると人が走ってきた。
証人丸山はハッチバックの助手席からその様子を見ていた。
その人はインプレッサのフロントガラスの左右の枠に掴まり、ボンネットに大の字になった。
車から落ちた時の様子について
弁護人「先程パイルドライバーと言っていましたがバックドロップの様なものですか?」
丸山「落ち方は一緒です。ボンネットから横か斜めに落ちた。強奪車両の進行方向には落ちなかった。100%立ち上がったのは間違いない。私は見ています」
平成26年2月13日に丸山自身の窃盗についての公判が千葉地方裁判所にて行われ「(検察は)窃盗グループのリーダー格としているがそういうつもりは無かった」と主張した。
その理由について「普段は板橋(もしくはそのグループ)、鮎川(もしくはそのグループ)が独自で活動している。
本件については現場に居た自分が年長者だったのでそう見えたのだと思う」と説明した。
また丸山自身の公判において窃盗グループのリーダー格であるという事については回避したいという思いがあり事実と違う事を言った部分もある。

・弁5号証の手紙について(内容について詳細説明無し)
タカハシ弁護人「書面の欄外に『トキトモキミタカ法律事務所』とありますが?」
丸山「自分の裁判の私選弁護士です。控訴審は別の弁護士に頼みましたが平成26年9月頃控訴棄却になりました」
タカハシ弁護士「書面にオオゾラ先生とありますが?」
丸山「自分が依頼した板橋の傷害事件についての弁護士です。近所のじいさんひっぱたいた事件ですが、おそらく結果的には何もやってないんですけど」
タカハシ弁護士は「それはいいから」と苦笑いしながら制止した。

証人丸山自身は平成25年12月27日にインプレッサの窃盗について起訴され、平成26年2月13日に初公判が行われているが板橋の証人申請は弁護側・検察側からも無かった。

・証人丸山が逮捕された経緯について
平成25年1〜2月頃、警察に自宅をカメラで撮られていた。
少し前に知り合いが警視庁に逮捕され、知り合いと接触していた自分がマークされるようになった為である。
平成24年8月頃、板橋に10〜15万円貸した事があり、きちんと返済された。
それがきっかけで付き合いが深くなった。
12:02 弁護側質問終了 休廷

13:14 被告人板橋雄太入廷
13:15 証人丸山和宏入廷
13:17 裁判長入廷 審理再開

−裁判所から証人丸山への質問(以下要旨)−
岡井裁判官「盗難車の報酬の件について、板橋と2通の手紙でやり取りをしていますが、この手紙以外にもありますか?」
丸山「2通の手紙の前後にも手紙のやり取りをしている」
岡井裁判官「強奪車両を運転していたとする架空の人物『モハメド』についてどの様に打合せしたのですか?」
丸山「自分、板橋、鮎川の3人がまとまって話したか、個別に話したか不明だが、3人とも『モハメド』の件については共通認識を持っていた。
『モハメド』が強奪車両を運転していて、人が乗っかってきて落っこったということにしよう。
3人はハッチバックで見ていた事にしようと話した」
証人丸山はハッチバックに乗っていて、板橋がインプレッサを盗もうとしているとアパートから人が出てくるのが見えた。
走り出したハッチバックの真後ろにインプレッサが付いてきたのでハッチバック助手席側ドアミラーからインプレッサが見えた。
被害者はインプレッサから落ちたが立ち上がって追い掛けて来た様に見えた。
事件の数時間後に鮎川が(車両を強奪した現場近くに駐車した)黒セルシオを取りに行った時、警察と鑑識が来ていた大掛かりな事になっていると連絡を受けたので、『モハメド』という架空人物が運転していた事にする話を作った。
被害者自体は大けがしたと思ったが亡くなったとは思わなかった。

岡井裁判官「事件当時の現場の明るさはどうでしたか?」
丸山「2月の朝で普通に明るかった。雨は降っていなかった。ハッチバックの後部ガラスは曇っていたがアパートから人が出てくるのははっきり見えた」
インプレッサが動き出した時は、人が(進路を)妨害していた。
ハッチバックは停車していてその場から逃げるわけにもいかず、車中から様子を見ていた。
その時のインプレッサの速度はゆっくりのように見えた。

鈴木裁判官「被告人の刑が軽くなってほしいと思っていますか?」
丸山「もちろんです」と返した。
弁5号証の手紙については「板橋が無期懲役だけは避けられるよう、不幸な事故という事にしてほしい。
殺すつもりはなかったでしょうから」という思いで書いた。
手紙の中で「柏の件で秘密の暴露があり」とあるのは、解体ヤードから押収した盗難車のナビの走行ルートと、鮎川が警察に供述した解体ヤードへの運搬ルートが一致している事と、宮崎の供述も鮎川の供述を補強している形になっている事である。

高橋裁判長「(車の窃盗について)チームがいくつかあるとの事ですが、横のつながりはあるのですか?」
丸山「それぞれのチームで(窃盗を)やっているが、今回の事が横のつながりになる。今回はたまたま板橋と鮎川が先輩後輩で鮎川が案内役であり、特別な意図は無かった」
高橋裁判長「盗む車種の狙いはあったのか?」
丸山「無い事は無いが解体すれば高いものを狙う。(本事件のインプレッサは)鮎川の生活圏内にあったので鮎川は頭にあったと思う。それで自分に連絡してきた」
高橋裁判長「インプレッサは獲物としては魅力的という事ですか?」
丸山「そうですね」
高橋裁判長「終わります」
13:36 休廷

13:53 被告人板橋雄太入廷
13:55 証人鮎川優介入廷
証人鮎川は証言を行う事についての宣誓文を読み、裁判長より証言に嘘があった場合、偽証罪で処罰される可能性がある事が説明される。

−検察側質問(以下要旨)−
コジマ検察官より証人鮎川への質問
検察官「平成25年2月22日に被告人板橋雄太と窃盗共犯者の丸山和宏とインプレッサの窃盗を行い、有罪判決を受けていますね」
鮎川「はい」
検察官「窃盗の被害者が(強奪された車両から落とされて)死亡しているのを知っていますか?」
鮎川「知っています」
検察官「(強奪車両を)運転していたのは誰ですか?」
鮎川「雄太さんです」
検察官「板橋は『(強奪車両を)運転していたのは丸山』と言っていますが」
鮎川「違います」

・証人鮎川と丸山の関係
先輩後輩関係にあり、本件強盗殺人の1〜2年前に知り合った。
自分は『丸さん』と呼び、丸山からは『優介』と呼ばれていた。
丸山と車の窃盗を行ったのは10回前後である。
丸山とはプライベートでの付き合いもあり、食事に連れて行ってもらった事や、(鮎川自身の)出所祝いで10万円をもらった事がある。

・証人鮎川と被告人板橋の関係
板橋とは顔見知りで、本件強盗殺人の前に1〜2回程度会った。
プライベートでは接点が無く、世話になった事は無く、トラブルになった事も無い。
板橋と車の窃盗を行った事は無い。
自分は『雄太さん』と呼び、板橋からは『優介くん』と呼ばれていた。

・被告人板橋と丸山の関係
先輩後輩関係にあり、丸山は『雄太』と呼び、板橋は『丸先輩』と呼んでいた。

・本件インプレッサ窃盗時の状況について
自分・板橋・丸山の3人が窃盗目的で、インプレッサが止まっている駐車場に行った。
1ヶ月位前に丸山から「インプレッサを探しておいてくれ」と指示を受けていて、自分が見つけ丸山に報告した。
(聞き取れなかったが事件当日と思われる)丸山から電話があり、(インプレッサの駐車場までの)道を説明したが『分からない』との事なので行って合流した。
板橋と丸山はハッチバックで来ていた。
運転席に板橋、助手席に丸山が乗っていた。
自分もハッチバックに乗り、運転席に板橋、助手席に丸山、後部座席に鮎川の座席位置でインプレッサ駐車場に向かった。
インプレッサ駐車場に行く前に、近くの別のインプレッサを板橋が盗もうとしたがエンジンが掛からず盗めなかった。
盗もうとしたインプレッサには乗り込めたと思うが、その点は記憶が曖昧である。
(本件強盗殺人現場の)インプレッサ駐車場に着き、板橋がインプレッサのエンジンを掛けた。
エンジンが掛かる音がしたのでエンジン起動が分かった。エンジン起動した時、自分はハッチバック運転席、丸山は
助手席にいた。
「発進していいよ」と丸山に言われ、インプレッサも駐車場を出ようとしていた。
先にハッチバックが出て、少し遅れてインプレッサが出てきた。
助手席の丸山が後ろを見て「人が出てきた」と言った。
自分も運転席側サイドミラーで約1秒後ろを見たが、ハッチバックを運転しており道がカーブで余裕が無く、人は見えなかった。
その後、丸山が「(人が)頭から落ちてた」と言った。
板橋が運転するインプレッサが追い付いてきて住宅街を抜けたところで丸山の指示でインプレッサを先に走らせた。
松戸駅近くの立体駐車場に盗んだインプレッサを停め、ハッチバックに鮎川・板橋・丸山の3人が乗り移動した。
ハッチバック車内で板橋と丸山が「人出てきたよね。
車のってきた」と会話し、板橋が「立って追い掛けて来た」と話していた。
自分はハッチバックを運転しているし、話しかける感じではなかったので話に入らなかった。
逮捕後の自身の裁判では自分・板橋・丸山の3人でインプレッサを盗みに行き、盗んだインプレッサを板橋が運転したと話した。
警察の取り調べにおいて「逮捕容疑以外にもやっていないか?」と聞かれ本件強盗殺人に絡む窃盗について話しているが、なぜ話そうと思ったのかと検察官に聞かれると、「捕まり冷静に考えれば被害者・遺族を思うと話すのが当然と思った」と返した。
口裏合わせで3人以外の外国人が窃盗現場に居てそいつがした事にしようとしたが、架空の外国人の話は人にしなかったので正直に言おうと思った。
丸山から「架空の外国人の話」をしなかった事での叱責は受けなかった。
コジマ検察官「自白した事を後悔していますか?」
鮎川「自白した事は後悔していない。間違った事とは思っていないので」
14:19 休廷

14:34 被告人板橋雄太入廷
14:35 証人鮎川優介入廷
14:36 審理再開

−弁護側質問(以下要旨)−
タカハシ弁護人より質問
・証人鮎川と丸山の関係について
証人鮎川の出所祝い金10万円については証人鮎川から要求したものではなく、丸山が自発的にくれたものである。
10万円という金額も丸山が決めたものである。
証人鮎川にとって10万円は大金であった。
丸山が工藤会組員という事を認識していたし、工藤会が一般的には危険組織として見られているという認識も持っていた。
(盗難車種は)何でもよかったというわけではなく、丸山からインプレッサという限定を受けていた為に探していた。
探し方は外出する時にあたりを見ながらという感じだった。
インプレッサを探す理由について丸山から説明されなかったが、盗る為だろうと認識していた。
タカハシ弁護人「インプレッサを狙う特別な理由はあるのですか?」
鮎川「特に無い。(解体して売却すれば)高いからという事も考えなかった」

・平成25年2月22日の行動について
朝、鮎川が自宅にいると丸山から電話で呼び出され(これから盗ろうとするインプレッサの場所への)案内を依頼された。
インプレッサの場所については「一度案内したからわかるでしょ」と思ったが言わず、当日は仕事だったが丸山の呼び出しに応じた。丸山から貸してもらった黒セルシオで移動し「現場近くに着いたら電話します」と言って合流した。鮎川が合流地点に先についた。
合流地点ではハッチバックに丸山と板橋が乗っていた。
インプレッサの駐車場所の行く前に、別のインプレッサのところに行き、盗ろうとしたがエンジンが掛からず盗れなかった。
(盗難を誰か実行したかについて言及無し)
(本件強盗殺人現場の)インプレッサの駐車場所に着き、ハッチバックを停車した。
この時証人鮎川はハッチバック後部座席にいた。
この時のハッチバック停車位置について、タカハシ弁護人が地図と写真を示し、鮎川にボールペンで印を付けさせた。
鮎川はハッチバック後部座席で携帯電話をいじっていた。
板橋と丸山が一度2人でハッチバックから出た。
この時ハッチバックとインプレッサの距離は2〜3mである。
インプレッサのエンジンが掛かり動き始めた時、既に鮎川が運転するハッチバックは動いていた。
丸山が「人が出てきた」と言っていた。
タカハシ弁護人は「どっかで後部座席から運転席に移ったわけね」と確認をした。
その時の流れを地図と写真で鮎川に示させた。

15:01
−イグサ検察官からの質問(以下要旨)−
イグサ検察官「インプレッサを盗る時、あなた(鮎川)はハッチバック運転席にいましたが、ハッチバックを動かし始めたきっかけは何ですか?」
鮎川「丸山に『出していいよ』といわれたので」
その後、少し間をおいてインプレッサがついてきた。
丸山がハッチバック車内で『人が出てきた』を話していた時もハッチバックは進行していた。
ミラー(鮎川がどの部分のミラーを指したのかは聞き取れず)では人もインプレッサも見えなかった。
丸山が「人が落ちた」と言った時はあまり覚えていないが、人と車は見ていないしそれっぽいものも見ていない。
インプレッサが追いついてきたのは住宅街の中で、その後広い道に出た時に、丸山が「雄太先に行かせていいよ」と言ったのでインプレッサを先に行かせた。

−タカハシ弁護人からの質問−
タカハシ弁護人「丸山は(車両窃盗に使用する)工具を持っていましたよね?」
鮎川「黒いバックに工具を入れているのを見たことがある。いつもかどうかわからないが見た事がある」
車両窃盗技術であるドアの開け方やエンジンの掛け方は丸山から教えてもらった。
タカハシ弁護人「(本件)インプレッサ窃盗時に、(待機車両の)ハッチバックの中に工具はありましたか?」
鮎川「助手席か後部座席の足元にあったと思う」
15:07 休廷

15:24 被告人板橋雄太入廷
15:26 証人鮎川優介入廷
15:27 審理再開

−裁判所から証人鮎川への質問(以下要旨)−
岡井裁判官より証人鮎川へ質問
平成25年2月22日(詳細時間の説明なし)丸山から電話があり、型枠解体の仕事予定があったが仕事を休んだ。
岡井裁判官「なぜ仕事を休んでまで丸山の誘いに応じたのですか?」
鮎川「仕事に行きたくない為、誘われたのでそのまま行った」

・インプレッサ窃盗時の状況
インプレッサのエンジンが掛かり、ハッチバックは10km/h以内で走行し、少し遅れてインプレッサが出てきた。
平成25年2月22日、早朝であるが普通に明るく晴れていた。
板橋がインプレッサを盗りに行く事になった件については、「丸山にはインプレッサを盗る技術が無かったのかも」と思った。

高橋裁判長より証人鮎川へ質問
高橋裁判長「本件インプレッサ以外で車両窃盗を行う場合、3人(板橋、丸山、鮎川)とも車両窃盗ノウハウがあったとの事だが、誰がどういう役割で実行をしようという段取りはどう決まっていくのか?」
鮎川「台数や車種によって決まる。自分は車種によってできないものもある。(窃盗時の)手際の良さは自分は2人(板橋・丸山)には劣る」

岡井裁判官より証人鮎川へ質問
モハメドの口裏合わせについて
鮎川「時期は不明確であるが『外国人名義の携帯(電話)があるから、そいつのせいにする』と電話で言われた。(口裏合わせの)電話は一回のみだった」
岡井裁判官「実際にはモハメドという外国人がインプレッサを運転したと供述しなかった理由は何ですか?」
鮎川「(丸山から)言われた時は重く受け止めなかった。実践しようと思わなかったし冗談みたいな感じで受け取った」
(詳細時期聞き取れず)平成25年10月頃、別件の窃盗にて警察署に居る時、丸山が手配した弁護士が接触した事があり、「何か必要な物はないか?」と聞かれた。

鈴木裁判官より証人鮎川へ質問
松戸駅立体駐車場を出るときの会話について
鮎川「板橋は『人が出てきた。落ちた。走って追い掛けて来た』と言い、丸山は『人、出て来たよね』と言っていた」
事件当日の事件後に、自分と丸山で黒セルシオを取りに現場に戻った。
現場には警察官が大勢居て、本当に人が出てきたんだなと思った。
鈴木裁判官「朝の7時でも大胆に車両窃盗するのですか?」
鮎川「普段はないと思います。この時くらいです」

−タカハシ弁護人より証人鮎川へ質問−
鮎川に妻子が有り、子供は逮捕された後に生まれている。
タカハシ弁護人「板橋にも子供がいるのは知っていますか?」
イグサ検察官「それは板橋に聞けばいいじゃないですか」と異議した為、質問を終了した。

15:43 閉廷

報告者 S325さん


戻る
inserted by FC2 system