裁判所・部 | 東京地方裁判所立川支部・刑事第二部(単独2係) | ||
---|---|---|---|
事件番号 |
C、A:平成20年(わ)第1141号等 B:平成20年(わ)第1056号等 |
||
事件名 |
C:詐欺 B:詐欺、大麻取締法違反 A:詐欺、覚せい剤取締法違反 |
||
被告名 | A、B、C | ||
担当判事 | B祥一郎(裁判官) | ||
その他 |
書記官:福田竜次郎 検察官:雲野晴久 | ||
日付 | 2009.9.15 | 内容 | 追起訴 |
定刻になると続々と入廷してきた被告人たち、傍聴席には被告人の家族などの関係者も在廷していた。 A被告は白いスポーツウェアの垂れ目の陰のある色黒の男、B被告はスーツ姿のこれといった特徴のない顔をした柔和そうな男、C被告はやさぐれた表情の目つきの鋭いスーツ姿の男。 判決の前に証拠請求があり、共犯者の阿部について平成21年7月27日付で懲役5年未決200日算入の判決が下されたと内容が採用された。それを踏まえた検察官、弁護人の意見は「従前通り」で、裁判官は前回の各被告人の最終意見陳述の内容を読み上げて「変わりはないですか」と確認を取った。 A被告人・・・多数の被害者を騙して大変申し訳ない、そのことを思うと心苦しい B被告人・・・たくさんの人を精神的にも傷つけて申し訳ない。被害者だけでなく両親等にも迷惑をかけた C被告人・・・Bと同内容 裁判官「それではそのまま判決を言い渡します」 −主文− 被告人Aを懲役5年6月に、被告人Bを懲役4年に、被告人Cを懲役3年6月にそれぞれ処する。未決勾留日数260日をそれぞれその刑に算入する。被告人Bに対し、東京地検立川支部で保管中の大麻草3袋を没収する。 −罪となるべき事実(要約)− 通常は追起訴が多いと起訴状記載の通りという表現で済ますところを裁判官は全て読み上げた。 被告人3名は金義明や阿部茂義と共謀してaやbから通信販売の商品代金が未納(サプリメントのお試し期間は過ぎているのに支払いがない、代引きで半分は支払っているのにもう半分は未納等)などとして真実はそのような事実もないのに弁護士を装って訴訟を提起した、その取り下げ費用や和解費用として金員を詐取、事案によって振り込みが確認できないとしてさらに詐取、その後は強制執行手続きが取られたので財産が差し押さえられてしまうので預金を一時預かるが全てお返しする、氏名がブラックリストに載っているので訴訟取り下げの支障になっておりその解除が必要などの騙し文句を駆使してさらに金員を詐取した。2被告はさらに薬物の使用で、起訴は11件。 −量刑の理由− 本件は被告人3名が共犯者と共謀のうえ、通信販売の未納代金の訴訟名目に金員を要求し、成功すると手を変えて訴訟を取り下げるからなどと言ってさらに金員を詐取した振り込め詐欺の事案である。振り込め詐欺に必要な通信販売の名簿や携帯電話、口座、出し子を用意し、騙し役と出し子と役割分担して、被害者が不安に駆られるのに付け込んだ職業的で卑劣かつ巧妙な犯行であり、追い討ちをかけるように差し押さえや他人から借り入れたなどと更に要求するなど執拗である。被害者は10名、Cは8名ですが、被害金額はCの分だけでも1060万円にも上っている。BとAは詐欺グループに属し、騙し役として、途中からCも騙し役としてそれぞれ重要な役割を果たし、BとAは薬理効果を求めて安易に違法薬物を使用したのであり、3名の刑事責任は重い。他方総額2320万円の被害弁償を行い被害回復がなされていること、そのために賃貸物件を処分していること、3名は反省して謝罪していること、いずれも主導的ではないこと、これまで前科がないこと、支援者や家族が更生を誓約していることなどを考慮して主文の通り判決しました。 ひたすら判決文を5時を回って判決文を読み上げた裁判官は少しお疲れの様子で、丁寧に控訴の説明をして閉廷した。 閉廷後各弁護人は被告人の家族や支援者と待合椅子のところで「実質3年と4ヶ月だから本人喜んでいる」「示談が効いた」「小さい時から知ってる。あの子は家庭環境が本当に恵まれなくて。控訴はしないように言っておいた」などと話していた。 | |||
報告者 | insectさん |