裁判所・部 最高裁判所・第二小法廷
事件番号 平成18年(あ)第809号
事件名 盗品等有償譲受け、有印私文書偽造、同行使、旅券法違反、殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反、殺人未遂、火炎瓶の使用等の処罰に関する法律違反、現住建造物等放火未遂
被告名 小日向将人
担当判事 竹内行夫(裁判長)今井功、中川了滋
その他 検察官:中井國緒
弁護人:武市吉生
日付 2009.7.10 内容 判決

 東京地裁・高裁合同庁舎から最高裁は歩くと坂を含むある程度の距離がある。傍聴人は遺影を掲げた遺族を含めて最前列に全員座って薄暗い廷内で開廷を待った。重々しく職員が諸注意を述べる。

廷吏「被告人小日向将人に対する殺人等被告事件!」
裁判長「それでは開廷します。殺人等被告事件につき上告審の判決を言い渡します」

−理由−
 本件は被告人が共犯者と共謀のうえ、組長の命令で対立する暴力団の幹部を狙いスナックの店で店の前にいたボディーガード1名を射殺したうえで、なかにいた暴力団とは何の関係のない市民3名を射殺し、暴力団幹部ら2名に重傷を負わせたという事案である。また対立する暴力団幹部への報復のために幹部宅に放火しようとしたが未遂に終わった放火未遂罪にも問われている。
 動機に酌量の余地はなく、殺人、殺人未遂の犯行は残虐かつ冷酷である。住宅街にある飲食店で一般市民3名が射殺されたという地域社会に与えた衝撃は計り知れない。そうすると被告人が事実を認めて反省し、積極的に事件の全容解明に寄与していることを考慮しても刑事責任は極めて重大である。よって主文の通り判決する。

−主文−
 本件上告を棄却する。

裁判長「それでは閉廷します」

 閉廷するとき遺影を掲げていた女性は一礼した。
 端の専用席にいた記者たちは階段を下りたところにある遺族の会見が行われる記者会見室に入っていった。

事件概要  小日向被告は上長である暴力団組長の命令で以下の犯罪を犯したとされる。
1:2002年3月1日、他3名と共に群馬県前橋市の対立組織の元総長宅を放火しようとして失敗した。
2:2003年1月25日、他1名と共に群馬県前橋市のスナックで対立組織の元組長を射殺しようとし、一般人3名を含む4名を射殺した。
 その他、元組長殺人未遂事件にも、補助的役割を果たしている。
 小日向被告は10月31日に逮捕された。
報告者 insectさん


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