裁判所・部 | 大阪高等裁判所・第五刑事部A係 | ||
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事件番号 | 平成18年(う)第1618号 | ||
事件名 | 業務上過失致死 | ||
被告名 | A、B、C、D | ||
担当判事 | 片岡博(裁判長)芦高源(右陪席)飯畑正一郎(左陪席) | ||
日付 | 2008.7.10 | 内容 | 判決 |
被告人4名に対する業務上過失致死被告事件につき、神戸地方裁判所(旧々刑事2部:佐野、川上宏、酒井判事補)が平成18年7月7日に言い渡した無罪判決に対して、検察官から控訴があったから、当裁判所は、検察官河合文江ほか関与の下、次のとおり判決する。 −主文− 原判決を破棄する。本件を神戸地方裁判所に差し戻す。 −理由の骨子- 第1:控訴趣意 被告人4名には、過失責任が有る筈なのだから、一審の無罪判決は、事実誤認である。 第2:当裁判所の判断概要 T.目撃証言は、信用できる すなわち、4名の目撃証人はいずれも、(1)自己の日常生活経験(夫の入院やら、セメント会社勤務経験)に基づいて、(2)迫真的・具体的に「事件発生前から、海岸の砂浜が陥没していた」と法廷証言しているのであるから、一審裁判所のような証拠評価は不当であり、目撃四証言には高い信用性が認められる。 U.業務上過失の法律技術判断は、最高裁判例に従う いわゆる「予見可能性」については、一審判決のような厳格な判断は不当であり、そのような厳格な判断は不要である。 第3:結論 結局一審判決は、証拠の取捨選択を誤り、ひいては事実を誤認したのだから破棄を免れないし、量刑判断などについての判断をさせるためにも原裁判所へ差し戻す(刑事訴訟法400条本文)のが相当である。 | |||
事件概要 | 被告人達は、陥没が継続的に起きていた兵庫県明石市の人工砂浜に対して適切な処置を行わなかった結果、2001年12月30日に人工砂浜が陥没し4歳の子供が生き埋めになったとされる。 | ||
報告者 | AFUSAKAさん |