裁判所・部 | 長野地方裁判所・刑事部 | ||
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事件番号 | 平成16年(わ)第213号等 | ||
事件名 | 住居侵入、窃盗未遂、強盗殺人、銃刀法違反、邸宅侵入、窃盗 | ||
被告名 | 西本正二郎 | ||
担当判事 | 土屋靖之(裁判長)桂木正樹(右陪席)吉川健治(左陪席) | ||
その他 |
弁護人:鈴木(主任)、金子 検察官:山崎 |
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日付 | 2005.11.16 | 内容 | 証人尋問 |
締め切り時間までに、傍聴券以上の希望者が集まらなかったので、抽選は行われなかった。 前回と同じく、最前列に報道関係者用のベンチが三つ設けられており、席も四つ用意されていた。遺族席は、今回は表示されていなかったが、前と同じく左四列がそうらしかった。遺族席は殆ど埋まっていた。一般傍聴人は、12人ぐらいだった。 山崎検察官は、髪の長い若い女性で、白い服の上に黒い上着を羽織っている。 二人の弁護人は、それぞれ眼鏡を掛けていて、スーツ姿だった。 被告は、上半身は、ロゴの入った長袖のベージュの服、下半身はジーンズといういでたちだった。眼鏡を掛けていて、髪は丸坊主。前回同様、腕にかけられた縄は布で隠されていた。傍聴席に背を向けた形で座る。 裁判官の入廷と共に、縄は外される。第五回公判は、1時15分から開始された。 本日は、a氏の証人尋問を行う事に決定した 証人が入廷する。 裁判長「職業は?」 証人「警察官です」 宣誓を行う。 裁判長「本件の捜査状況、自白の経緯について尋問があります」 被告「はい」 裁判長「席にかけて」 証人、座る。 −検察官の証人尋問− 検事「証人は、現在、飯田警察署に勤務している」 証人「はい」 検事「拝命は?」 証人「平成四年」 証人の警官生活の経歴を述べる。 検事「現在は、警察官になられて17年目」 証人「はい」 検事「法廷では、4件の強盗殺人と、Zさん事件の銃刀法違反等、9件の事件が審理されているが、Wさんの事件以外は、飯田署の管内で発生した」 証人「はい」 検事「証人はそれの捜査に全て関わっている」 証人「はい」 検事「Bさんの多額窃盗事件が発生した時、証人はまだ飯田署に配属されていなかった」 証人「はい」 Cさんの窃盗事件の捜査引継ぎを行った時、既に西本正二郎は容疑者として名前が挙がっていた。被害者の隣に住んでおり、家賃を滞納していたため。 検事「Xさん強盗殺人事件で、捜査本部は設置された?」 証人「はい」 検事「証人は、捜査に携わった」 証人「はい」 検事「被告は容疑者だった?」 証人「はい」 検事「何故?」 証人「Xさん方から押収されたノートに西本の名前がありました」 検事「事情聴取の際、被告はCさんの多額窃盗と、X事件について否認していましたね」 証人「はい」 検事「その後、被告の容疑は晴れた?」 証人「いいえ」 検事「何故?」 証人「Xさんの事件の時に、アリバイが無かった。Cさんの事件も、証拠は無かったが、容疑は残っていた」 検事「Yさんの事件では、遺留足跡が出ていた」 証人「はい」 検事「何か解った事は?」 証人「一月に発生したAさん事件と、八月のDさん方の窃盗事件の遺留足跡と同一だった」 検事「それで、如何考えられた?」 証人「本部は、Yさん方の強盗殺人は、物取りだと」 検事「A、Dさんの窃盗事件と、Yさんの強盗殺人について、本部は如何考えていた?」 証人「同一人物ではないかと」 検事「(本部では)Yさん方の殺人と、二つの窃盗、そして、Xさん方の殺人に関係があるという疑いは?」 証人「正直、生じていました。犯行現場の状況や場所が似ていたので」 検事「状況とは?」 証人「老人の一人暮らしで、周りに木が生い茂っている」 検事「被告人が逮捕された時、Aさん方にセンサーが設置されていた」 証人「はい」 検事「どのような物?」 証人「侵入者が入ると、警察に連絡が行く」 検事「何故、その時期にAさん方にセンサーが?」 証人「Yさん方の分析をした結果として、Aさん方は、事件前にも侵入されている事が解ったので、(Aさん方に)もう一度侵入するかと思い、センサーを捜査本部で設置しました」 検事「そのセンサーに引っかかった人間が、Y、Xさんの強盗殺人事件の犯人であり、捕まえられるかもしれないと、本部は考えた?」 証人「はい」 検事「Zさん事件は、前二件の犯人と同じであるという疑いは?」 証人「生じました」 検事「何故?」 証人「同じ高森町の事件で、老人の一人暮らしだった」 検事「Zさん強盗殺人事件の時点で、Cさん事件の容疑者として被告の名前は挙がっていた」 証人「はい」 検事「Xさん事件でも」 証人「はい」 検事「そんな中、Aさん宅のセンサーが反応した」 証人「はい」 検事「証人も臨場を?」 証人「はい」 Aさん宅には、焼け破りの跡があり、それは、Xさん、Zさんの現場にもあった。 検事「証人は、被告が発見され、職務質問を受けているのを何故知った?」 証人「無線で」 検事「Aさん事件で、被告が職務質問を受けているとき、証人は?」 証人「気が動転して、あいつか、あいつがやったのか、と、頭がカーッとなってしまいました」 検事「何故?」 証人「捜査上に名が挙がり、私も顔を合わせている。そんな中、Aさんのセンサーにかかった者が強盗殺人の犯人とも思っていたので、あいつだったのか、と」 検事「証人は、その場に行った」 証人「はい」 検事「職務質問は?」 証人「しました」 検事「どのように?」 証人「『お前、何やってるんだ、何てことしたんだ。』と」 検事「被告は何と?」 証人「『病院に車を止めて、健康のために歩いている』と」 検事「Aさん方への侵入を否定した」 証人「はい」 検事「任意同行したのは?」 証人「私です」 検事「(自白した時)被告はどんな様子でした?」 証人「私と目を合わせず、顔の引きつった、何とも言えない様子でした」 検事「証人は、Aさん事件は被告の犯行と?」 証人「はい」 検事「何故?」 証人「遺留足跡と、被告の靴が似ていた」 検事「被告からどうやって自白を」 証人「『お前がやった事だから、自分でけじめをつけろ。正直にならなければ何も変わらない。』と。そう言っていたら、被告は涙を流して、Aさん方の住居侵入、窃盗未遂を自白しました」 検事「其の他の事件についても嫌疑を持っていた」 証人「はい」 検事「どの事件?」 証人「Yさん、Zさん、Dさん、Aさん、Xさんの事件について」 検事「Cさんは?」 証人「それも思っていました」 検事「他の事件もやっている可能性があると、本部は考えていた?」 証人「はい」 検事「何故?」 証人「いきなり殺人をやるはずが無い。他にもやっていると、本部も私も考えていた」 検事「9月14日の取調べで、被告にどんな事を尋ねた?」 証人「犯行用具が見つかっていないので、其の追求と、犯行前後の行動について」 検事「如何答えた?」 証人「前後の行動については、パチンコで儲かった金で生活していた。用具は、海に捨てたと」 検事「余罪を念頭において取調べを行っていた」 証人「はい」 検事「如何追及を?」 証人「お前のやった事は全部解っている、と」 検事「それに対し被告は?」 証人「怖がった顔をして、今回以外にやっていない、と」 検事「それで、証人は?」 証人「間違いなく他にもやっていると思いました」 検事「9月14日の取調べでは、用具、余罪共に語らなかった」 証人「はい」 検事「9月15日は?」 証人「其の日は、捜査一課特捜課のb警部が取調べを行い、私は取調べ補助官として参加しました」 検事「其の日は?」 証人「生い立ちについて聞きました」 検事「其のとき印象に残った言葉はありますか?」 証人「はい」 検事「どんな言葉?」 証人「『死んだ方がよかった』、『今迄の俺の人生はなんだったんですか』、と」 検事「他には?」 証人「b警部に対し、『俺は如何したらよかったんですか』と」 検事「其の時、b警部は何と?」 証人「一呼吸おいてから、『今、何が言える』と」 検事「被告の言葉に、証人は如何思った?」 証人「自分のやった事件が言えないで苦しんでいる。喋らしてやらなければならない、と」 検事「その後、被告は?」 証人「Aさん宅には、他にも何回か入っている、と」 検事「其のとき、被告は?」 証人「まだ顔は怖がっていたと思う」 検事「涙を流す事は?」 証人「少し・・・」 検事「覚えていない」 証人「はい」 検事「他について、9月17日(日付については、聞き間違えか?)には、被告は話を?」 証人「しません」 検事「被告が話を曖昧にしていたのは?」 証人「犯行用具の行方について」 検事「b警部は用具を追及した?」 証人「はい」 検事「被告は?」 証人「『パニックになって、どうしたかわからない。』と言いました」 検事「証人は如何感じた?」 証人「今、西本がパニックになっているのでは、と」 検事「何故そう思った?」 証人「殺人事件が言えないからです」 検事「9月16日には、被告の取調べを行った」 証人「はい」 検事「何時から?」 証人「午前10時30分から」 検事「午前の取調べで、被告人に変化は?」 証人「ありました。生い立ちを、警部は訊いたんですが、西本は、『刑務所はもう決まっているんですか』と訊きましたので、警部は手続きを説明しました。その後、無言の状態が続きました」 涙を流している事もあったらしい。 検事「9月16日の午前の取調べで、余罪の自供は得られた?」 証人「いいえ」 検事「午後の取調べで、被告に変化は?」 証人「ありました」 検事「どのような?」 証人「西本は、日常の出入り口の所で、私に、『aさんと話をしたい、二人っきりで話をしたい』と」 検事「それで、取調べは?」 証人「私は、西本に其処で言いました。『bさんに話すのならば、俺も一緒に聴いてやれる。bさんに話しなさい』と言ったのですが、『どうしても聴いて欲しい』と。取調室で待っているb警部に事情を話し、外して貰いました」 検事「それで、被告は?」 証人「椅子に座って、『聴いて貰っていいですか』と。最初はそんな一言で、それで、『お前が真剣に話すのなら、こっちも真剣に聞いてやる』と、そう話しました。西本は、顔がくしゃくしゃになりました・・・・私としては、全て解って、本人の自供を待っている格好になりました。最終的に、西本は、四人を殺しました、という自供をしました」 検事「四人を殺した、というだけ?」 証人「『四人を殺しました、お金も取りました』と」 検事「其の詳細を話した」 証人「はい」 検事「どんな?」 証人「Yさん、Zさん、Xさん、愛知の事件を話しました」 検事「被告は?」 証人「涙を流して・・・・震えて・・・・必死に喋って書き出している、そんな印象を受けました」 検事「其の他に印象に残った事は?」 証人「話す前に、『aさん、怒りますか、絶対怒りますよ』と。『私は気違いですから』と。それが印象に残ってます」 検事「それで、上申書を書いた」 証人「はい」 検事「自首調書は?」 証人「書きません」 検事「何故?」 証人「自首に当たらないと」 検事「何故?」 証人「余罪を疑って追及していたから、自首には当たらないと。自首とは正直思い浮かばない」 検事「やっとわれた、と」 証人「やっと話してくれた、という感じでした」 検事「Cさんの事件については?」 証人「殺人の流れを聞いて、最後に、泥棒はどうかと聞いたら、西本は、一番多かったのは、Eの一千万だと、話しました」 検事「b警部は、どのように、Xさんの強盗殺人に至るかを聞いていった?」 証人「金を盗んでそれが無くなり、殺人にいたる、と」 検事「どのように警部は聞きだした?」 証人「追及するような格好で、自供を引き出す」 検事「具体的には?」 証人「生活はどうやっていたか、この日は如何だったか、という風に」 検事「Cさん、Dさんの窃盗事件等について、自首調書は?」 証人「作りません」 殺人の場合と同じような理由だった。 −鈴木弁護人からの証人尋問− 弁護人「証人の今の話では、被告が9月13日に逮捕される以前に、三件の強盗殺人や窃盗の容疑者として被告が浮かんでいた」 証人「西本が全部という訳ではない」 弁護人「正確に挙がっていたのは?」 証人「Cさんの多額窃盗と、Xさんの事件です」 弁護人「Cさんの事件の場合は、(被告が)隣に住んでいた人間で、現在行方不明であり、疑わしいと」 証人「はい」 弁護人「被告の犯人性について、どの程度の確信が?」 証人「あくまでも容疑者です」 弁護人「可能性については無いでもないと」 証人「はい」 弁護人「Xさん宅のノートから、被告の名前が出てきた。被告だけではないでしょうが」 証人「はい」 弁護人「何故被告が?」 証人「被告が駐車場を実質的に利用していなかった」 弁護人「其の他に容疑者は?」 証人「あります」 弁護人「何人ぐらい?」 証人「十名ぐらい」 弁護人「其の中の一人だった」 弁護人「それから、先ほど、Yさんの事件で足跡が採取され、C、Dさんの事件の足跡痕と同じだった」 証人「はい」 弁護人「Xさんの事件と同一犯ではないか、というお話でしたが、老人の一人暮らしで、木が生い茂っているからだと」 証人「はい」 弁護人「でも、手口は違う」 証人「はい」 弁護人「それなのに同一犯と?」 証人「そういう疑いは持っていました」 弁護人「別の人物とは?」 証人「それも考えていました」 弁護人「可能性はある、という程度の容疑者だと」 証人「はい」 弁護人「Zさん、Yさんの件は、同一犯という見込みだった?」 証人「それは、そう思いました。捜査本部はそう考えました」 弁護人「何故?」 証人「独居老人で、高森町内の犯行。凶器は刃物でした」 証人「当時は、長野県警の全てを力を使って事件を解決しろ、という事で、全てが飯田署に集まっていました」 弁護人「Aさん方に、センサーに引っかかったものがYさんの件とも関係があるかと思い、熱センサーを設置した」 証人「はい」 弁護人「Aさんから相談を受けたのでは?」 証人「空き巣の現場にセンサーはつけない。殺人との関係を睨んで、捜査本部の方で設置したと思う」 弁護人「被告が職務質問を受けて、その連絡を受けて現場に行った」 証人「はい」 弁護人「先ほど、頭がカーッとなったと言ったが、彼が何をやったと?」 証人「管内の殺し。そう思いました」 弁護人「確信を持っていた?」 証人「私個人のあれですから。刑事のカンです」 弁護人「たまたまAさん方に今回だけ入ったのかもしれないわけですよね」 証人「カンのような話になって申し訳ありませんが、センサーを仕掛けたところに、前から知っている西本がかかった。それで、カンというか・・・・」 弁護人「一種の思い込みのようなものがあったといえる?」 証人「警察的には・・・・私はもう、そう思い込みましたし、あいつに間違いないと、そういうところまで来ていましたので」 弁護人「Xさんの強盗殺人とCさんの窃盗事件では被告の名が挙がり、Yさん、Fさんの事件では挙がっていない。センサーに被告が引っかかって一本に繋がった」 弁護人「9月13日に逮捕され、犯行用具については口を閉ざしていた」 証人「はい」 弁護人「14,15日に追及した時は、生い立ちについて質問した」 証人「そうですね・・・・」 弁護人「余罪については質問していない」 検事「意義あり。全くしていないという趣旨ではなかったと思います」 証人「お前のやった事は全て解っている、と」 弁護人「Aさんの事件以外にも全て解っているという事も伝わっていると思うか」 証人「伝わっていたと思います」 弁護人「犯行用具の事を聞いて、伝わっていると思いますか?」 証人「思います。b警部は、犯行用具に殺人でも使ったものがあるのではないか、と私に言っていました。西本自身が一番よくわかっていたと」 弁護人「言葉としては、犯行用具についてだけだった」 証人「はい」 弁護人「被告が『aさん、話を聞いてくれますか』と言ってきた時、貴方は如何思った?」 証人「話す気になったのか、と」 弁護人「何について?」 証人「殺人についてですね」 弁護人「具体的に、殺人についてはどうか、と臭わせる様な話は一切していませんね?」 証人「はい」 弁護人「被告が、涙を流しながら、四人殺しました、と話し出した」 証人「はい」 弁護人「自分の追及により、やっと口をわったと思った?」 証人「その時は、やっと話せたんだ、西本の顔を見て、やっと話せた、今まで言わなかった事をやっと話せたという印象が強い」 弁護人「何故話せたと?」 証人「・・・・・・本人でなければ解りませんが、私にしてみれば、やっとこっちが、本人に普通の人間に戻ってもらいたいというのが強くなってましたので、やっと俺の気持ちが解ってくれたのか、と。私も、涙が止まらないくらい、やっと話せるようになったんだな、という気持ちでした」 ここで書記が交代した。 弁護人「そうしますと、貴方たちの追及に対し、逃れられないと観念して話をしたのとは違う?」 証人「それは捉え方ですが」 弁護人「追求で話したと」 証人「殺人ですから、簡単に、追及して自供が得られるわけではない。犯行時は極悪人だったんでしょうが、真人間に戻って欲しい、戻してやりたい、と」 弁護人「被告の良心に訴え、目覚めさせる形で話をしたと」 証人「そういう部分はあります」 弁護人「その時は、殺人という言葉は出していない」 証人「はい」 弁護人「全て話せと」 証人「はい」 弁護人「被告としても、四人殺した良心の呵責に駆られて話すことになったという事になるのでは?」 証人「そういう気持ちが無ければ自供できないと思います」 弁護人「Aさん宅の住居侵入、窃盗未遂の事件以外について証拠を示して追求した事はない」 証人「はい」 −金子弁護人による証人尋問− 弁護人「bさんが担当だった」 証人「はい」 弁護人「何故、(西本は)貴方に?」 証人「私自身も解りません」 弁護人「解りませんか・・・・・解りました。後、自首調書を作らなかった理由は、追及時に話したから、という事でよろしい?」 証人「はい」 弁護人「Xさんの事件で、5月2日に取調べを受けた後、被告への容疑の質が変わった事は?」 証人「容疑者、と」 弁護人「(取調べ前と)同じと」 証人「はい」 弁護人「他にも容疑者は居たという事だが、その人たちには接触した?」 証人「他の班が」 弁護人「足跡の件ですが、DさんとYさんの現場にあったものと同じという事ですが、A、Dさんは窃盗で、Yさんは死んでいる。飛躍しているのでは?」 鈴木弁護人の証人尋問 弁護人「Wさんの件については?」 証人「他にも何かやっているとは。ただ、Wさんとは」 検察官の証人尋問 検事「Yさん、Dさん、一月のAさんの件では、足跡が同じと」 証人「はい」 検事「焼き破りの手口では?」 証人「ありません」 検事「焼き破りの関連は?」 証人「Dさん、逮捕されたときのAさんの件です」 検事「足跡と、焼き破りの同一性は、同一犯と推測するに当たって合理的では?」 証人「はい」 検事「被告が、余罪について解っていると推認される発言については?」 証人「四人を殺したと言った後、Aさんの件だけ自供した後、ここから出て自殺して罪を償いたい、と言っていました」 検事「『自分は如何したらよかったんですか』と彼が聞いた時、b警部は、『今、何が言える』と言った」 検事「被告は、『自分は普通の人生を送っていない、人生をやり直したい』と言っていませんでしたか?」 証人「はい」 検事「何時?」 証人「生い立ちを聞いているときだと」 検事「証人はそれを聞いて如何思った?」 証人「人を殺している、と」 検事「全部解っている、以外には何と?」 証人「自分で正直に話さなければ変わらない。ここで変わらなければだめだ。と。 検事「今言えることがある、というのも、余罪を追及するものでは?」 証人「はい」 −金子弁護人の証人尋問− 弁護人「全部解っている、というのは、何処で出てきた?」 証人「被告の表情などを見てです」 −裁判官の証人尋問− 裁判官「被告が逮捕されたのは、9月13日で、緊急逮捕」 証人「はい」 裁判官「それ以前に逮捕状を請求した事は?」 証人「ありません」 裁判官「考えた事は?」 証人「ありません」 裁判官「被告を任意で事情聴取した時、証人が被告を送って、(被告の)車を見せて欲しい、と言った」 証人「はい」 裁判官「証人が求めた?」 証人「はい」 裁判官「何故?」 証人「事件に関する物が無いか、と所持品検査をしました」 証人「具体的に何か証拠を、という事はありません」 −裁判長の証人尋問− 裁判長「愛知でWさんの事件が発生している事は認知していた?」 証人「はい」 裁判長「9月16日に自供して以降、愛知県警から照会はあった?」 証人「ありました」 検察官の証人尋問 検事「お前がしたことは全部解っている、と言ったのは、一度だけ?」 証人「何回もあります」 検事「取調べでは毎回そう言っていた?」 証人「はい」 最後に、裁判長は、被告に何か聞く事は無いかと尋ねた。 裁判長「被告から訊いておきたい事は?」 被告「無いです」 これで、この日の証人尋問は終了し、証人は退廷する。 裁判官は、次回期日と、次回は被告人質問の予定である事を告げ、閉廷した。 被告は、傍聴席に目を向ける事無く退廷する。 終了したのは、3時5分ぐらいだった。休憩は無かった。また、退廷時の、遺族に対する職員による先導も無かった。 裁判所の外では、弁護人の一人が報道関係者に囲まれて、何か話していた。 | |||
事件概要 |
西本被告は、いずれも強盗目的で、以下の犯罪を犯したとされる。 1:2004年1月13日、愛知県春日井市でタクシー運転手を殺害。 2:同年4月26日、長野知県飯田市で無職女性を殺害。 3:同年8月10日、長野知県高森町で無職男性を殺害。 4:同年9月7日、長野知県高森町でパート従業員を殺害。 西本被告は2004年9月13日に逮捕された。 |
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報告者 | 相馬さん |