裁判所・部 福岡高等裁判所・第二刑事部
事件番号
事件名 傷害、詐欺、住居侵入、強盗、建造物侵入、窃盗、強盗殺人、死体遺棄
被告名 魏巍
担当判事 濱崎裕(裁判長)
日付 2007.3.8 内容 判決

 遺族席、記者席は、設けられていなかったので最前列中央に腰かけた。その直後、私の後ろに着席された遺族の方に係員から遺影を持ち込む際の注意事項が説明されていた。
 開廷前、2分間のビデオ撮影後、裁判長が傍聴席後方へ目で合図。新聞を広げて読んでいた人が注意を受ける場面も。
 午前10時、3人の刑務官に連れられ魏巍被告が入ってきた。濃紺の詰襟スーツ姿で現れた彼は、昨年末、この法廷で見かけたときより、痩せたように感じられた。実際に目の前で見る被告は、色白で、テレビで流される写真よりもずっと幼く、27歳の青年というより、10代半ばの少年のようである。

裁判長「被告人は、前に出てください」
 被告が、証言台の前に立つ。
裁判長「主文、本件控訴を棄却する」

 裁判長の言葉に続いて、中国語の通訳が読み上げにはいる。
 裁判長から、理由は、長くなりますので、席についてくださいとの指示。
 魏巍被告は、椅子に座り判決をじっと聞いていた。

 被告は、共犯二人の従属的立場にあり、犯行を主導したとは言えないが金欲しさから犯行に加わることを決意し、準備行為や実行行為で重要不可欠な役割を果たした。共犯二人と特段の差異があるとは言えない。
 犯行の経緯が述べられている間、遺族の席からすすり泣く声が聞こえていた。
 最後に裁判長から上告の手続きの説明があり、閉廷が告げられると、被告は、一度も傍聴席を見ることなく足早に法廷を後にした。

事件概要  魏被告は福岡県福岡市において、以下の犯罪を犯したとされる。
1:2003年4月9日、2人の共犯と共に中国人留学生宅に押し入り、留学生2名を脅して現金を奪った。
2:2003年4月15日、3人の共犯と共に日本語学校に侵入し、現金を奪った。
3:2003年4月30日、中国人留学生宅に侵入し、現金を奪った。
4:2003年5月30日、他人の外国人登録証を使って携帯電話1台を騙し取った。
5:2003年6月20日、2人の共犯と共に衣料品販売業一家4人を殺害し、現金等を奪った。
6:2003年6月27日、知人の中国人女性を殴り、傷を負わせた。
 5の事件の共犯2名は中国で逮捕・起訴され、遼寧省高級人民法院に於いてそれぞれ死刑(執行猶予なし)、無期懲役が確定し、それぞれ刑が執行されている。
報告者 福太郎さん


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