Q&A

 ここでは、死刑に関するよくある質問のうち、基本的なことについてQA方式で書いていきたい。また、ここに追加してほしい質問があれば、メールを頂戴。


日本の死刑執行方法は何?
 1882年以降は絞首刑のみ。絞首刑でも色々あるが、現在の日本では地下絞架式と呼ばれる方式が採られている。これは、絞首台が高台にはなく、平坦なところを歩くと踏み板があり、スイッチを入れると、受刑者の体が地下に落下していくという方式。
 なお、大抵の拘置所では立ったままの姿勢で首に縄をかけられて執行されるが、札幌刑務所は座った姿勢で執行されるそうである。


日本では、どこで死刑執行するの?
 札幌刑務所、宮城刑務所、東京拘置所、名古屋拘置所、大阪拘置所、広島拘置所、福岡拘置所の七カ所。詳しくは、こちらを参照のこと。


死刑執行前に好きなものを食べさせてくれるの?
 70年代頃には、そういうこともあったそうである。しかし現在はそのようなことはない。


どういう順で死刑執行されるの?
 明確な基準はないようであるが、再審請求していない者の中から古い者が優先して執行されているようである。


再審請求中では死刑執行しないの?
 再審請求中でも、死刑執行されることはある。どの法文を見ても「再審請求中の死刑囚の死刑執行は、してはならない」というような条文はない。さらに、1957年1月の法務省刑事局の通牒には、「場合によっては、再審事件係属中にかかわらず死刑執行もやむを得ないと思料する・・」とあるので、「場合によっては」再審請求中でも死刑執行は、なされるようである。またその事実の報告についての記載も確認されている。


数日前に死刑執行の言い渡しはあるの?
 70年代まではあったようだが、現在は無いようである。廃止した理由は拘置所によって違うだろうが、福岡拘置所の場合、前日言い渡しをした結果、自殺者が出たためである。


これほどの罪を犯すと死刑になるの?
 こちらを参照のこと。


どれくらいの死刑囚が恩赦になるの?
 現在、死刑・無期刑囚等の重罪被告・受刑者には、まず恩赦は適用されない。たとえ、多数の国民が「これは可哀想だ」と思うようなケースがあったとしても、恩赦になるようなことは、まずない。被害者遺族が減刑を嘆願しても、恩赦はない。これは政令恩赦であっても同じ。詳しくはこちらを参照のこと。


刑死した遺体はどうなるの?
 要望があれば、遺族が引き取り、要望がなければ、無縁墓地に埋葬される。
 もし、生前に死刑囚自身が献体を申し出ていれば、大学に送られる。


死刑執行しても助かった者はいるの?
 1872年に石鉄県(現愛媛県の一部)で執行された死刑囚は、執行後に蘇生し、その後は無罪放免となった。ただしこれは、執行方法が現在の絞架式(首つり)ではなく、絞柱式(重りによる首締め)であった時代の話。
 現在は執行に際しては、どんなアクシデントがあろうとも、必ず死刑囚を死亡させる。「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」には、絞首された者の死亡を確認してから、さらに五分間絞首の縄を解かないよう定められている(179条)
 過去には死亡するまで37分間待ったケースもある。
 また、綱が切れて死刑囚の体が下に落ちたとこともあったが、その時は刑務官が柔道の締めで窒息死させたとされている。





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